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新型コロナウイルス、長期喫煙者は重症化しやすく要注意

健康
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SNSなどを見ていると、喫煙するとタバコの煙の効果で、新型コロナウイルスに感染しにくいなんてデマを飛ばしている人が散見されます。

 

新型なので、誰も確かな医学的なデーターを持っているわけでは無いと思いますが

喫煙者、特に長期喫煙者は、常識的に考えれば新型コロナウイルスに感染しやすく、しかも重症化しやすいはずです。

なぜそのように考えられるのか、関連するデータや喫煙者の肺に関する一般的な知識からひもといてみたいと思います。

 

喫煙が原因で肺炎にかかった人

長期喫煙者の多くがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)に罹患する

COPD(慢性閉塞性肺疾患:肺気腫や慢性気管支などの総称)になるのは昔は炭鉱労働者(炭塵)や、タクシー運転手(車の排ガス)に多いといわれてきましたが

日本から炭鉱は事実上、無くなり、車の排ガス規制がされ大気汚染が劇的に低下している現代において

COPDになる原因のほとんどは喫煙(&副流煙)が原因といわれています。

 

そして喫煙歴20年の人で1日に20本吸う人の20%、60本吸う人の70%がCOPDに罹患するというデータがあります。

亀田メディカルセンター|亀田総合病院 呼吸器内科【呼吸器道場】のHP

喫煙歴20pack-yearsの患者の20%がCOPDである

 

また、2001年に行われた厚生労働省の調査(NICE study(Nippon COPD Epidemiology Study))では

40歳以上の日本人の8.6%(530万人)がCOPDに罹患していると推定されており

しかもそのうち、COPDと診断されているのは26万人(2014年の厚労省の調査)しかおらず、大部分の人は

「歳をとったので息切れしやすくなっている」程度にしか考えていないようです。

 

COPDになると気管支が炎症を起こしていたり、空気中から酸素を取り入れる肺胞の多くが死滅していて、肺に進入してきたウイルスに冒されやすい状態になっています。

また、COPDの基準には至らなくても、長期喫煙者の肺の機能は低下しダメージを受けていますから、非喫煙者よりはウイルスに冒されやすい状態になっているはずです。

まあ、いうなれば長期喫煙者の肺は、40歳とか50歳でも80歳くらいの人の肺の機能レベルまで低下していることになります。

 

喫煙者の肺機能の低下グラフ


COPD(慢性閉塞性肺疾患)の人は鼻かぜやインフルから肺炎になりやすい

COPDは慢性気管支炎や肺気腫などの肺疾患の総称です。

気管支が炎症を起こしている状態では、気管支からウイルスが侵入しやすく

また、多くの肺胞が死滅している状態ですから、死滅した肺胞からもウイルスが侵入しやすくなっています。

(死滅している肺胞には血液=白血球が流れていませんから免疫力が働きにくい)

 

COPD患者は感染症が重症化しやすく、かつCOPDを悪化させる原因となることから、医師ははCOPD患者にインフルエンザの予防接種や肺炎球菌ワクチンの使用を強く勧めています。

歌丸師匠の死因、COPD(慢性閉塞性肺疾患)は喫煙者には他人事では無い病気

医療専門機関でも喫煙が新型コロナウイルスで重症化しやすいと警告

ECDCの発表、新型コロナ「喫煙者は重症化リスクが高い」

ECDC=「ヨーロッパ疾病予防管理センター」は、喫煙者や以前喫煙経験がある人が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化するリスクが高いとする研究結果を発表しています

理由について、私が先に述べた理由では無く、体内に取り込まれたウイルスが細胞に感染する際に必要とされる酵素(アンジオテンシン変換酵素II(ACE2))が、喫煙によって肺の中で活性化しやすくなるためだとしています。

 

中国の『チャイニーズ・メディカル・ジャーナル』

中国の『チャイニーズ・メディカル・ジャーナル』という医学雑誌に2月28日に掲載された論文では、様々な要因を考慮した解析によると、喫煙歴が最大の重症化要因であり、喫煙していると約14倍重症になりやすいと述べられています。

 

アメリカの『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』

アメリカの『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』という医学雑誌に2月28日に掲載された論文では、

中国本土の患者1099人の分析によると、非喫煙者の重症率は14%なのに対して、喫煙経験者は24%が重症

更にこの論文で発表されたデータから計算すると非喫煙者に対して、喫煙経験者は約1.7倍重症化しやすく、約3倍、危篤状態(集中治療室入室、人工呼吸器装着、死亡のいずれか)になりやすいという結果が出ています。

コロナウイルスに感染して人工呼吸器をつけられた人

まとめ

私の近親者、また知人のCOPD罹患者の人が、軽い鼻かぜやインフルエンザから簡単に肺炎に移行し亡くなっているのを何度か見ています。

 

喫煙者をディするつもりは毛頭ないのですが、長期喫煙者、特にCOPDに至っている人(自分がCOPDだという自覚の無い人、診断を受けていないひとがほとんどというのが実体)が、肺に関する病気に対する抵抗力が如何に弱いかを見聞きしてきたことから

喫煙者が新型コロナウイルスに感染すると、かなりの確率で重症化するのでは無いかという危機感からこの記事を書きました。

 

普通の肺炎やインフルと今回の新型コロナウイルスを必ずしも同一視することは出来ないという人もいるかもしれませんが

コロナウイルスが肺に侵入して肺炎に至るというメカニズムはほとんど同じでしょうし

常識的に考えて喫煙者=COPD予備軍の人のリスクが高いことは予測出来ます。

 

今さらタバコをやめても、今回の騒ぎには間に合わないかもしれませんが

禁煙することで多少なりとも重症化を抑えたり、あるいは感染しないよう、非喫煙者以上に気をつけることで、多くの人が悲惨なことにならなくても良くなることを祈っております。

 

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