夏になると日射病や熱射病、熱中症が話題になりますが、この3つの違いは何なのでしょう。
なんとなく同じような気がしますが、どう違うのか疑問に思いますよね。
またそれぞれの病気は、予防法などにも違いがあるのでしょうか、そして万一自分や周りの人がなってしまったらどのように対処すれば良いのでしょう。
日射病と、熱射病と、熱中症の違いは何なのでしょう
日射病と、熱射病と、熱中症の違いは何なのでしょう
似たような症状を、単に違う言葉で表現しただけなのでしょうか?
これらの違いを簡単に説明すると、日射病は、気温の高い日などに強い直射日光に長時間当たることで発生する熱中症の事を言います。
熱射病は、日射病を含む、とにかく気温や湿度が高いところにいたり、運動や作業をした結果起こる重度の熱中症です。
つまり、日射病や熱射病を総称して熱中症と言います。
熱中症は大量の汗をかいて脱水状態になったり、高温に長時間さらされた結果、体温調節機能が低下して、頭痛や、疲労感、吐き気やめまいを生じるような症状を言います。
重症になると意識がもうろうとしたり、意識が無くなったりすることもあります。
日射病、熱射病などの熱中症を予防するには
日射病の予防
日射病は気温の高い時期に長時間太陽の光が当たり続けることで体温が上がることが原因ですから、当たり前ですけれども、太陽の日差しを避けることが一番ということになります。
日傘や帽子を使う
外出したり、屋外で活動する場合は短時間であっても日傘や帽子を使うようにします。
女性の場合は日焼けを嫌って、結構こまめに日傘や日よけを使いますが男性や、若い人、子供、老人などだとついつい無防備のまま、屋外で活動してしまうことがありますから気を付けましょう。
無理をせず適宜休憩を
スポーツや作業をしている場合、ついつい夢中になっていたり、作業を急ぐ余り、長時間連続して継続してしまいがちですが、
疲れていなかったり、まだまだ大丈夫だと思っていても、意識して、定期的に日陰などで休憩するようにします。
こまめな水分補給
のどが渇いて無くても、炎天下で行動する場合は意図的に水分をこまめに補給するようにしましょう。
気が付いたら脱水状態になっていたということはよくあります。
また、炎天下でのスポーツや重労働をする場合は、普通の水や麦茶などでは、身体が水分を吸収するのが追いつかない場合がありますから、大量の汗をかくような状態では、吸収力が優れているスポーツ飲料を活用するようにします。
当然、水分補給の為の水筒や、飲み物が入ったペットボトルなどを用意しておきましょう。
長時間行動する場合はペットボトルの中身を凍らしておくなどの方法もあります。
通気性の良い衣服を着る
日焼けを嫌ったり、園芸作業などで虫刺されを嫌って、身体をおおうような服装をすることがありますが、真夏の炎天下で作業などをする場合は危険ですから、なるべく通気性の良い服装で行動するようにしましょう。
日焼けは出来るだけ日傘や日焼け止めクリームで抑えるようにします。
園芸作業などの場合は薄着でも大丈夫なように殺虫剤や防虫スプレーなどを活用するようにします。
冷却グッズを活用する
長時間の炎天下での行動をするときには、
・スポーツタオル
・冷却スプレー
・保冷剤
・冷却シート
・冷却機能などを持っている帽子や、スカーフ
などの冷却グッズを準備して活用するのも良いでしょう。
身体を濡らす
スポーツウエアなどを着ていて、濡れても問題無い場合は、着衣や帽子に水をかけてわざと濡らしたり、頭に水をかけることでもずいぶん体温を下げることが可能になります。
熱中症(熱射病)の予防
熱中症全般の予防方法としては日射病の予防方法に加えて
エアコンや扇風機を活用する
室内でも、気温が上がりそうなときには早めにエアコンや扇風機を使う必要があります。
・暑いのに電気代がもったいないからとエアコンを付けるのを我慢したり
・高齢者は感覚が鈍くなっていて、暑くなっても気が付かない
・幼児などは自分でエアコンなどを操作できない
などということもよくあります。
あるいは、夜寝るときに暑くて寝られずに睡眠不足になることも、体調不良や、その影響で熱中症にかかりやすくなるということもあります。
一晩エアコンを付けていても、結局ジュース代1本分くらいの話ですから、余りケチケチするのも本末転倒です。
冷え性の方の場合、厚めの毛布を掛けて寝るなどの方法もあります。
直接冷気が当たらないところにベッドを置くとか、長袖のパジャマを着るなど
現代は、昔より気温が上がっているのですから、贅沢だとか言わないで、快適に睡眠を取った方がよほど
病気予防になったり、翌日の仕事の効率が上がったりする事になります。
体調を整える
熱中症の原因には体調不良が結構影響があります。
・ゴルフなどのスポーツをする前日の深酒や
・日頃の寝不足や、不規則な生活
・偏った食事による栄養不足
などにも充分気を付けるようにしましょう。
屋内であれば風通しを良くする
閉め切った室内では室温が高くなるばかりで無く、湿度も急上昇して汗による温度調節がきかなくなります。
エアコンなどが使えない場合は、窓やドアを開けたり、風の通り道をふさぐような障害物を移動して、人がいるところに風が通り易くなるように工夫しましょう。
室温や気温、湿度に気を配る
自分の身体の感覚に頼るのも良いのですが、やはり温度計や湿度計などで客観的に、現在の環境を把握するようにします。
室温が28度を超えるようであればエアコンを入れた方が良いですし、屋外でも30度を超えるような場合には運動や過激な作業は控えるか、熱中症対策に十分注意して行う必要があります。
・屋内で28度を超える環境で仕事や勉強しても、効率は極端に落ちますから無駄な我慢大会は止めた方が良いです。
・日本人は屋外だと、結構35度くらいまで頑張っちゃいますけど、30度超えたら、かなり危険な状況だと認識しておいた方が良いです。
万一、日射病や熱射病になってしまったらどうする
熱中症にならないために色々予防していても、ちょっとした油断から熱中症になってしまう可能性はあります。
万一熱中症になってしまったら
とにかく身体を冷やす
熱中症は体温の調整がきかなくなって、体温が高くなっている状態です
体温が上がりすぎると内臓などの細胞が死滅して、生命に関わる事態になりますから、優先するのは体温を下げることです。
取り敢えずの処置として
・まずは木陰などの涼しいところや風通しの良いところ、エアコンのある屋内などに移動
・上着を取ったり、衣服のボタンを外すなど、なるべく薄着にしたり、皮膚の表面が露出するようにします
・扇風機などで風を当てるか、濡れたタオルなどで身体を拭き、気化熱で少しでも体温を下げるようにします。
・保冷剤などがあれば、脇の下、首筋、足の付け根など太い血管が集まっているところにあてて、血液を冷やすようにします。
保冷剤が無ければ冷たい飲み物が入っているペットボトルや濡らしたタオルでも良いでしょう
水分の補給
本人が飲めるようであれば、水分を摂らせます。
可能であれば経口補水液かスポーツ飲料が急速に体内に水分を吸収するのに効果的です。
水やお茶しかない場合でも塩や飴などと一緒に摂ることで吸収効率が高まります。
意識がもうろうとしている場合は病院へ
意識が無ければ当然ですが、意識がもうろうとしていたり、自力で立てないなどかなり症状が重い場合には、病院に行って手当を受けるようにしましょう。
緊急の場合には、救急車を呼ぶのも躊躇(ちゅうちょ)しないでください。
まとめ
日射病は気温の高い日などに直射日光を長時間浴びたりすることで熱中症になることをいい、熱中症の症状が重い状態を熱射病と呼びます。
周りの環境をよく把握して、あらかじめ注意して、対策などを行っておけば、なかなか熱中症などにはならないものですが
万一熱中症になったなら、すぐに体温を下げるような処置を行うなど、対応を間違わないようにしましょう。
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