赤ちゃんにハチミツを食べさせたらダメだといいますがこれはなぜなのでしょう
赤ちゃんがダメなのなら、子供にも食べさせたらダメなのでしょうか、何歳からハチミツを食べても良いのでしょう
そしてどうしてハチミツだけ赤ちゃんに与えてはいけないのでしょう
ハチミツを赤ちゃんに与えてはいけなのはなぜでしょう
ハチミツには1歳未満の赤ちゃんに与えないよう注意書きがしてあります。
元々の根拠は、1987年に厚生労働省が乳幼児(1歳未満)にハチミツを与えないように注意喚起を行ったことが始まりです。
なぜ赤ちゃんにハチミツを与えてはいけないのか
それは、ハチミツは加熱殺菌処理されていないために、ボツリヌス菌が含まれている可能性があるからです。
というと、じゃあ大人はどうなるのという疑問が出てくると思います。
大人は大丈夫でも赤ちゃんがボツリヌス菌がダメな理由
ボツリヌス菌は土の中や井戸水に含まれることが多いですが、通常は休眠状態である芽胞の状態になっています。
ボツリヌス菌は芽胞の状態(休眠状態)の時には毒素をまき散らすことはありません
ですから普通は胃の中に入ると胃酸などでボツリヌス菌を死滅させてしまいますし、大人は抵抗力もしっかりしていますから腸の奥まで達したボツリヌス菌が繁殖して暴れ回る(毒素をまき散らす)ということもありません
所が赤ちゃんの場合は胃腸がまだしっかり発達していませんから、口から入ったボツリヌス菌がするりと腸にまで達してしまうことがあります。
腸の中はボツリヌス菌にとって快適な繁殖環境ですから、休眠状態から目覚めて繁殖を始めます。
そして爆発的に増殖したボツリヌス菌が毒素をまき散らし始めます。
ただでさえ免疫力や抵抗力の弱い赤ちゃんの腸の中でボツリヌス菌(毒素)が増え出すと、赤ちゃんはこれに抵抗することが出来ず、さらにボツリヌス菌が加速度的に増殖することになります。
そうなると、この毒素のために赤ちゃんの腸の働きが弱くなり、大腸の方に便を押し出す力が弱くなる結果、便秘になるということになります。
また、腸の働きが悪くなり、上手く食べ物も消化でいない状態ですから、食欲も低下し、母乳を飲む量が減ってきます。
さらに毒素で身体が弱まっていますから、体力も衰えてきて元気も無くなります。
因みに、ボツリヌス菌の潜伏期間は3日~30日といわれていますから、この間にハチミツを与えていて、上記の症状が出てきていたら、ボツリヌス菌の感染を疑ってみましょう。
ボツリヌス菌は筋肉に作用し神経麻痺を起こす結果、脱力状態になって呼吸不全や心臓麻痺などを引き起こす可能性があり、最悪死にいたる危険性があります。
ボツリヌス菌は加熱しても死滅しない
ボツリヌス菌は100度で数分間、加熱すると、菌自体は不活化しますが、芽胞は生き残り、加熱したからと油断してボツリヌス菌に汚染した物を口に入れると、赤ちゃんの場合は、腸の中で復活しますから、赤ちゃんに関してはボツリヌス菌は加熱しても死滅しないと考えた方が良いようです。
何歳になったら子供にハチミツを食べさせても良いの
では、赤ちゃんがハチミツを食べても大丈夫なのは何歳からでしょう
生まれて364日目(1歳未満)だとダメで、365日目(目出度く1歳の誕生日を迎えた日)ならOKというのもほんとかなって思いますよね。
ではいつからOKなのか
赤ちゃんがボツリヌス菌で「乳児ボツリヌス症」を発症した例としては、厚生労働省が発表した例では
94%が6ヶ月未満の乳児で最高齢は11ヶ月となっています。
赤ちゃんも半年を過ぎた頃から、消化器も発達し、腸内環境も整ってくることから、発症例はどんどん減少し、11ヶ月を過ぎるとまず、発症例はないということです。
といっても子供が2歳、3歳、4歳くらいでも不安に思うお母さんはいらっしゃるようで、中には5歳、6歳くらいのお子さんでも心配される方がいますが、1歳を過ぎればまず安心ということです。
なぜハチミツだけにボツリヌス菌が含まれているのでしょう
赤ちゃんにハチミツを与えてはいけないといわれますが、なんでハチミツだけなのでしょう
実はボツリヌス菌の芽胞は広く一般の土の中に存在しますから、ハチミツだけではなく、その他の食品にも含まれる可能性があります。
ボツリヌス菌は熱に強い芽胞を作るため、120℃4分間(あるいは100℃6時間)以上の加熱をしなければ芽胞は完全に死滅しませんから、一般の家庭の調理法では死滅しないと考えた方が良いです。
ボツリヌス菌自体は、80℃30分間(100℃なら数分以上)の加熱で失活するので、食べる直前に十分に加熱すると大人には効果的なのですが、芽胞は残るので、赤ちゃんにはNGということになります。
実際、ハチミツ以外でも精製されていない黒糖や野菜スープで赤ちゃんが発症した例があります。(特に外国産のものが多い)
乳児ボツリヌス症の原因としてハチミツが特に大きく取り上げられるのは、ハチミツには栄養素が豊富で、しかも液体ですから乳児に与えるミルクなどに混ぜやすいということがあげられます。
また野菜などのその他の食品を赤ちゃんに与えるのは、離乳食として生後5~6ヶ月を過ぎた、比較的消化器官が発達してきた時期だというのも影響していると思います。
前述のように乳児ボツリヌス症の94%は半年未満の乳児ということからも、離乳食を与える時期にはボツリヌス菌の芽胞による発症のリスクはかなり低下していることもあるでしょう。
とはいっても1歳を過ぎるまでは油断は禁物です。
しっかり加熱調理された缶詰やレトルト食品なら大丈夫ですが、一見レトルト風に見えて、実際は加熱殺菌されていない食品(厳密には加熱殺菌処理されていないものはレトルト食品ではない)もありますから、離乳食などに使用する場合はしっかり確認した方が良いでしょう。
まとめ
1歳を過ぎるまで、赤ちゃんにハチミツは与えないようにしましょう。
1歳を過ぎていれば、よほど、ばい菌だらけの物でない限り(^^;)大丈夫です。
当然2歳、3歳になればまったくOKです。
また、ボツリヌス菌は広く土の中に存在しますから、ハチミツだけが危ないわけじゃないです。
離乳食を与えるときにはしっかり洗浄、殺菌消毒された食材を使うよう十分注意する必要があります。
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