健康食品などで、デキストリンという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
デキストリンはデンプンの一種で便秘の人や血糖値が高い人に効果がある食べ物です。
なぜデキストリンが便秘や高血糖に効果があるのか、その理由や、食べる歳の注意事項について解説します。
デキストリンって何?どのような効果があるの
デキストリンは正確に言うと「難消化性デキストリン」といって
天然のデンプンから作られた、消化しにくい水溶性の食物繊維です。
難消化性デキストリンは、水に溶けやすく、粘性が低く、長期間保存しても濁りや沈殿ができにくいといった性質から、飲料、米飯類、パン、スープなどの様々な食品に使われています。
また、大部分が小腸で消化されずに大腸まで到達して、その約半分が腸内細菌の餌となって短鎖脂肪酸になると考えられています。
通常、炭水化物は消化されると1グラム当たり4キロカロリーになります。
ところが、難消化性デキストリンは1グラム当たり1キロカロリーにしかならず、カロリーの低い成分です。
食事と一緒に食べることで、腸における糖分や脂肪分の吸収を抑えて、食後の血糖値や中性脂肪の急上昇を抑えるほか
食物繊維でもありますから、腸内環境を改善し、便通を良くする効果もあります。
難消化性デキストリンの主な効果をまとめると
・腸内環境を整える(便通の改善)
・食後の血糖値の急上昇を抑える(糖尿病の予防)
・食後の中性脂肪の急上昇を抑える(ダイエットや動脈硬化の予防)
難消化性デキストリンと同じような効果のある食品には「レジスタントスターチ」というものもあります。
レジスタントスターチについてはこちらの記事を参照
レジスタントスターチ食品は便通を良くしてダイエットにも効果あり
デキストリンが腸内環境を整え便通を改善する理由
難消化性デキストリンは小腸では消化されず胃から大腸まで送られます。
この時、難消化性デキストリンは、水分を吸って、大きく膨張し、粘りけのある流動物として、他の食物と一緒にゆっくり胃から大腸まで移動します。
人間の胃や腸では、難消化性デキストリンは消化することが出来ないのですが、大腸内の腸内細菌は難消化性デキストリンを発酵させ
一部は酪酸やプロピオン酸などの短鎖脂肪酸に作りかえられ、栄養源として吸収されます。
これによって大腸内の腸内細菌の繁殖が活発化し、善玉菌が増加するだけでなく
腸の活動を活発にし、便の量自体も増えることから排便が楽になります。
さらに腸の活動が活発化し、排便が促進されることで腸内感染を予防し、大腸癌などの予防にも効果があるとされていて
難消化性デキストリンを1日5~10グラム程度摂取すると、水分を吸い込んで便が軟らかくなり、便の量を増やし、腸内細菌の環境を良くして、便の量および排便回数を増加させることになります。
糖分やや中性脂肪の吸収を緩やかにする効果
前にも述べたように難消化性デキストリンは水分を吸って、どろっとした粘性のある液体になり
他の食べ物を包み込むような形になりますから、胃や腸での糖分や脂肪分の吸収が緩やかになり
血糖値や血中の中性脂肪値が急上昇することがなくなります。
また、デキストリンは水分を吸って胃の中で大きなかたまりとなる上に、ゆっくり小腸の方に流れて行くために、満腹感が長時間続きますから
過食の防止になりダイエットにも効果を発揮します。
デキストリンの摂り過ぎに注意
難消化性デキストリンは、水分を吸って、体積が多くなります。
ですから、難消化性デキストリンを高濃度に配合された食品を食べ過ぎると、お腹がゆるくなる場合があります。
便通などに効果を期待する場合には1日に5~10g程度摂取することが好ましいとされていますが
下痢などの副作用を起こさないためには、体重1kgあたり1g程度
仮に体重が60kgある人なら60g以下に抑えておいた方がよいとされます。
もっともこれは上限値で、個人差もありますから、ギリギリまで食べない方が良いと思います。
また、色々な食品にデキストリンが含まれていますから、単独の食品だけでなく、それぞれの含有量はチェックしておいた方が良いかもしれません
イヌリンとデキストリンの違いは何、便秘や血糖値に対する効果は
まとめ
特保などで時々目にするデキストリンは
水溶性の食物繊維で、毎日5~10g程度食べる事で、便通を改善するほか
血糖値や中性脂肪の急上昇を抑え、腹持ちも良くなる事からダイエットに効果も期待できます。
ただし、食べ過ぎはお腹をゆるくすることもありますから、ほどほどに摂取するよう注意しましょう。
高額な特保食品を購入しなくても、デキストリンの粉末が安価に販売されていますから、お料理などに適量を入れてみても良いでしょう
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