SDGs17の目標の4番目は「質の高い教育をみんなに」ですがもう少し具体的に、いったいどういうものか説明してみます。
「質の高い教育をみんなに」とは
「質の高い教育をみんなに」とは
すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する。となっています。
SDGsの目標に含まれる貧困をなくすことや、健康や福祉を向上させるためには、世界中のすべての人達に質の高い教育を受けられるようにする必要があります。
世界の中には基礎的な教育を受けられず、文字の読み書きすらできない人が数多くいて、彼ら彼女らはその為に貧困にあえいでいます。
あるいは若い女性が教育を受けていれば、多くの赤ちゃんの発育障害を防止したり、あるいは出産時や生まれてきた赤ちゃんの死亡率は劇的に低下させることができます。
ではなぜこのような基礎的な教育すら受けられない人がいるのでしょう。
主な理由を挙げてみると
・そもそも近くに通える学校がない。
・学校があっても子供達に知識を教える事の出来る先生が不足している。
・貧困のために学校に行くお金が無いことや、そもそも児童が家計を助けるために働く必要がある家庭が多くあります。
・また、幼稚園がないところでは、親が働いている間、子供達が幼い、弟や妹の世話をする必要があります。
・世界にはまだ教育は必要ないと考えている人、特に女性に教育は必要が無いと考えている人が多くいます。
・戦争や紛争がある国ではそもそも子供の教育どころではありません。
ということで、世界中の人々が平等に教育を受けることができる環境を整備することで、貧困にあえぐ人や病気になる人を少なくしたり、出産時や乳幼児の死亡率を低下させることができます。
また、質の高い教育を受けられる人が増えることで、貧しい国々でも経済的に発展することが期待できます。
「質の高い教育をみんなに」の具体的な目標
2030年を目標に達成しようとしているSDGsの17の目標のうち「質の高い教育をみんなに」のために掲げられているターゲットは次項で掲載しますが、簡単に解説すると
・世界中の国の子供達が、男女の区別なく初等、中等の教育を無償で受けられるようにする。
・世界中の国の小さな子供達が、健康に成長し、初等教育に繋がる幼児教育が受けられる環境を整備する。
・世界中の人々が男女の区別なく職業教育や大学などの高等教育を平等に受けられる様にする。
・仕事や起業に必要な技術やスキルを持った人を大幅に増加させる
・ジェンダー、障害者、先住民、弱い立場の子供などが等しく教育や職業訓練を受けられるようにする。
・すべての若者と、既に大人になっている人々の多くが読み書きや基本的な計算ができるようにする。
・SDGsに関する教育や人権、男女平等や平和で非暴力的な文化、文化の多様性を認めるような知識を世界に広める。
・子供や障害者、ジェンダーに配慮した安全で効果的な学習環境を改良、構築する。
・開発途上国、アフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、また、先進国も含め高等教育の奨学金の件数を大幅に増やす。
・国際協力などを通じ、開発途上国などの教員の数を大幅に増加させる。
SDGs「質の高い教育をみんなに」のためのターゲット
前項では簡単に解説しましたがSDGsの17個の目標を分割して具体化した169個のターゲット(小目標)が掲げられています。
この中で「質の高い教育をみんなに」のために掲げられているターゲットには以下の10項目があります。
4.1 2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。
4.2 2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。
4.3 2030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。
4.4 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。
4.5 2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子供など、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。
4.6 2030年までに、全ての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。
4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
4.a 子供、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、全ての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。
4.b 2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、並びにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。
4.c 2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員研修のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。
まとめ
世界中には様々な理由で、まともに教育を受けられない人々が多く存在します。貧困や、親の無理解、教育を受ける環境がないなど様々な理由があります。そして教育を受けられないがために、貧困から抜け出られなかったり、基礎的知識がないために妊婦や赤ちゃんが出産で死んでしまったり、赤ちゃんを健康に育てられなかったりすることが多くあります
世界中の人が等しく質の良い教育を受けられるようになれば、貧困から抜けだし、健康的に生きていくこともできるし、ひいてはその国の経済的発展にも繋がる事になります。
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