朝食をしっかり食べることで高血糖が抑えられ、糖尿病予防になるほか、メタボや肥満対策にもなります。
とはいうものの、朝、イマイチ食欲がない、忙しくて朝食を準備する暇がないという人はどうすれば良いのでしょう
朝食をしっかり食べないと血糖値が上がりやすくなり糖尿病へ
朝食をしっかり食べないと太りやすくなるとか、午前中の行動のエネルギーが足りなくなるとか、集中力がなくなるなど、朝食の必要性が様々な観点から説明されていますが
まずは血糖値の問題から解説していきたいと思います。
まず、朝食を抜いたり、しっかり食べていないと血糖値が上がりやすくなり、糖尿病になりやすくなるという点が指摘されています。
どうしてそうなるのかというと
1日3食、朝昼晩、食べるとすると夕食と次の日の朝の朝食の間が1番長く空くことになります。
ということは朝、朝食を食べる頃にはかなり身体の中のエネルギーが不足して、言うなれば空腹状態にあると言えます。
もっとも、夜更かししたり、前夜飲んだお酒で胃が焼けている。朝は低血圧で身体の調子が挙がっていないなどの理由で食欲がない場合もあります。
所が実際は、体内のエネルギーは不足していて、身体としてはガス欠の状態になっています。
それが、朝食を食べないことで、ガス欠の状態が昼食の時間帯まで続くことになります。
そしてようやく昼食を食べる頃には、前日夕食を食べてから既に18時間ほども経過していることになります。
あるいは、お酒を飲んで24時頃までどんちゃん騒ぎをしていたとしても12時間が経過しています。
身体の中のメカニズムとしては
空腹状態
大げさに言えば「飢餓状態」とも言えます。
そういう状態で昼食を食べれば
身体の反応としては、急いでエネルギー(糖分)を吸収しなければ、ガス欠になってしまうとばかりに急速に食べた物を吸収しようとします。
そうなると血中の糖分の濃度は急激に上昇します。
血中の糖分濃度、すなわち血糖値が高くなれば、あわてて膵臓がインシュリンを大量に分泌することになります。
そういうことが続くと、膵臓が疲労して、インスリンの分泌が悪くなり、糖尿病に進む事になります。
糖尿病予防として、例えば血糖値が急激に高くならないように野菜から先に食べなさいとか、ゆっくりかんで食べなさいと言われていることからも分かると思います。
所が朝食を抜いていると、どうしても身体自体が反応して、いくらゆっくり食べていても、身体のメカニズムとして急速に血糖値が上がるように胃腸が働いてしまうということになります。
朝食をしっかり食べないと、肥満やメタボにつながる
朝食をしっかり食べないと、血糖値が上がりやすいばかりでなく肥満やメタボにつながるという話は以前にも聞いたことがあるかもしれません。
どうしてそうなるのか
一つは前の項で解説したように、空腹状態で昼食を取る事になるために、どうしても多めに食べてしまったり
身体自体も、飢餓状態から復帰したものの、また飢餓状態にになってはいけないと、脳から指令が出て、脂肪をため込もうとするメカニズムが働き始めます。
また、最終的には昼食と夕食で朝食のマイナスを取り戻すことになるのですが
1日全体のカロリー摂取量が同じでも
朝食で摂取した分は朝からの活動で、充分消費されるのに対して、昼食から夕食に行くにしたがって、エネルギーとして使われる前に、身体の活動が低下する夜に突入
そして、睡眠=基礎代謝のみ
となり、まあ、エネルギーが余りやすい
=脂肪として蓄積しやすい
という悪循環におちいります。
さらに、前の項で解説した話ともつながりますが
飢餓状態で昼食をとるとインシュリンが過剰に分泌され
インシュリンは身体の細胞の中に糖分をため込む働きもあるので、余分にとったカロリーを細胞の中にため込み易くなることにもなります。
忙しい人が朝食を手間暇かけずに用意して、しっかり食べる方法
朝食をしっかり食べれば、午前中から身体の新陳代謝も活発になり、高血糖から糖尿病になったりすることや、肥満やメタボになることも抑えられます。
とはいっても忙しい朝、いかに効率的に、バランス良く、手間暇をかけずにしっかり朝食をとれば良いのでしょう。
朝、食欲のない場合
寝る前のお酒は控えめに
寝る前のお酒を控える理由は2つ有ります。
まずは、夜寝る前に寝酒としてお酒を飲む人がいますが、お酒を飲むと寝付きは良くなるのですが、アルコールの影響で睡眠の質が悪くなり、結局寝不足となり寝覚めが悪くなるという悪影響があります。
また、アルコールが体内に入ると、肝臓は最優先でアルコールの分解を行い、糖分をグリコーゲンに分解するという作業が後回しになります。
このため、朝になっても血液中に糖分が分解されず大量に残っているために、食欲はなく、おまけに身体が使える形のエネルギー(グリコーゲン)が不足していて、身体が重く、胃腸の働きも悪くなっています。
睡眠をしっかり取る(夜更かししない)
夜更かしをすると当然、睡眠時間が取られ、睡眠不足になります。
そして、朝まだ眠いから食欲がないという原因になります。
特に良くないのが飲酒、テレビ、スマホなどで夜更かしすることです。
飲酒は、前に説明したとおり睡眠の質が悪くなり、糖分も残ってしまいます。
テレビやスマホはついつい時間を取られてしまうだけではなく、液晶画面から出ているブルーライトの影響で、睡眠の質が悪くなってしまいます。
夜寝る前には液晶の画面は見ないようにして、照明を暗めにした寝室などで過ごすようにします。
夕食は早めに、寝る前の食事は控える
食事を摂った後、すぐに寝てしまうと、胃腸の働きが低下して、食べた物が消化されずに長く残る事になりますし、朝までに充分に血糖値が下がりません。
胃腸にも良くないですし、寝ている間には日中痛んだ血管の修復などが行われるはずなのに血糖値が高いまま維持されれば、血管の老化にもつながります。
また、食べ物を消化するために、いつまでもだらだらと胃腸が働いているために睡眠の質も悪くなってしまいます。
一般的によく言われるのは、寝る3時間前までに食事を取りましょうということです。
3時間が無理なら攻めて2時間ほどは時間を取るようにします。
まあ、寝る前にお腹が空くというのも、夜更かししているのが原因という場合もありますから、お腹が空く前に早めに寝るという方法もあります(^_^)v
朝、忙しい人が簡単に準備出来るガッツリ朝食
朝食の大切さも分かった、朝。食欲を増す方法も分かったけど
「朝は忙しいんだよね」
という人の為のガッツリ、しっかり朝食を簡単に準備出来る方法を考えてみました。
前日に出来ることは準備しておく
前日に出来ることは出来るだけ準備しておくことで、朝、あわてて朝食の準備をする事はなくなります。
言われてみれば当たり前の事なんですが、なかなかこれができない人は多いです。
前日にある程度作っておいて、冷蔵庫の中などに入れておき、朝になったら取りだして食べるだけ、あるいはチンするだけぐらいにしておけば、数分で朝食の準備は完了です。
具体的な例については、以下で説明します。
ご飯
ご飯を1食分、タッパに入れておく、あるいはおにぎりにしてラップに包むなどして、冷蔵庫に入れておきます。
独身者などで毎日ご飯を炊くのが面倒だという場合は、1週間分をまとめて作って冷凍庫で保管しておくという手も有ります。
ゆで卵
目玉焼きを当日作っても良いのですが、ゆで卵なら前日に作って、冷蔵庫に入れておくだけで、朝、そのまま食べることが出来ます。
サラダは前日に作り置き
健康によい生野菜のサラダにハムなどをのせて、これも前日に作ってラップをかけておけば、朝食でみずみずしいサラダを食べることが出来ます。
常備菜・保存食を活用する
保存が利く常備菜・保存食を活用します。
ひじき、きんぴらゴボウ、肉や魚のそぼろや漬け物、海苔などの保存食
あるいは保存食でなくても、ほうれん草の和え物とか、ちょっとしたおかずを作り置きしておいておけば、便利です。
夕食のおかずは多めに作って残しておく
これが1番楽ちんかもしれませんね。
前日の夕食のおかずを少し多めに作って、翌日の朝食に少し残しておきます。
お味噌汁は簡単に
お味噌汁にもこだわりがあるかもしれませんが、朝は簡単にというなら
前日の残りの味噌汁をタッパに入れて冷蔵庫に入れておく、あるいはインスタントの味噌汁を使うという方法もあります。
生味噌タイプを使うと、粉っぽさがなくなり、飲みやすいです。
洋食タイプでお手軽にという方法も
トーストに牛乳や豆乳
バナナ
インスタントのコーンクリームスープ
さらに、前日作り置きした生野菜サラダ、ハム
などのパターンもお手軽です。
まとめ
朝食をしっかり食べることで糖尿病予防にもなり、肥満防止にもつながります。
朝食欲がないという人は、まずはしっかりとした睡眠を取ること、前日の夜、寝る前になるべく食べ物を摂取しないことが大切です。
また朝食はちょっとした前日の準備や工夫で、時間をかけずに、しっかり栄養のある食事にすることが出来ます。
朝食は1日の活力の始まりであり、健康維持にも欠かせません。
ほんのちょっと気を使うことでしっかり朝食を食べることが出来ますので、ガッツリ朝食にトライしてみてはいかがですか。
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