友人と一緒にお酒を飲みに行ったり、自宅でお酒を飲むことがあるでしょう
そういう時に同じ話を繰り返してしまうことがあります。
「その話はさっき聞いたよ」
「同じ話ばかりしているよ」などと友人や家族から指摘されたり
逆に、酔いが回った友人が同じ話を何度も繰り返すことに閉口した経験があるかもしれません
これはお酒を飲んでくどくなったり、しつこくなったりということでは無く、記憶のメカニズムに基づいた
ありがちな出来事なのです。
なぜお酒を飲んで酔ってしまうと同じ話を繰り返すのか、解説します。
お酒を飲んで酔ってしまうと、記憶が残らない
酔っ払うとなぜ同じ話を繰り返すのかという理由を、結論からいうと、
酔っ払っているときには、記憶がちゃんと脳の中に残っていないために
相手に伝えたい話が頭に浮かび上がってきたときに、すでに話し終わっているという記憶がなく、自分としては新しい話として話し始めてしまうということが
同じ話を繰り返してしまう理由です。
なぜ、たった今話したばかりのことが記憶に残っていないのか?
ということを脳の記憶のメカニズムから説明すると
人間は自分が経験したことや、耳や目から入ってきた情報を、一旦、脳の中の海馬という所にため込みます。
そして記憶は海馬の中で整理され、新しい記憶として短期間保管されます。
その後、必要な物については大脳皮質の方に送られて長期記憶としてしっかり記憶されます。
所がお酒を飲んで酩酊してしまうと、海馬の働きが悪くなってしまって
たった今経験したこと(酔って話をしたこと)が海馬から大脳皮質に送られることなく、そのまま流れ去ってしまいます。
ですから酔っている人の頭の中には、そのお話をしたという記憶はどこにも残っていません
話が終わった瞬間には、その話をする前と頭の中の状態(記憶)は同じ状態ですから
本人としては、この話は何としても伝えておかなきゃいけないということになります。
歳をとるとなぜお酒を飲んだときに記憶が無くなりやすくなるのか
お酒を飲んで記憶が無くなるというのは、若いときにはあまりなかったけれども、歳と共に段々と記憶が無くなることが多くなってきます。
なぜそうなるのでしょう
歳と共に飲めるお酒の量も少なくなり、二日酔いもキツいので、それほど酷く酩酊している訳でもないのに
お酒を飲んで同じ話を繰り返したり、飲んだときに話した内容の記憶がないという経験をしている人も多いでしょう
これは歳と共に肝機能が低下して、アルコールを分解する能力が低くなり、さらに高齢になると体内の水分量が減少する結果、同じペースでお酒を飲んでも、急激に体内のアルコール濃度が上昇し
海馬がアルコールで麻痺してしまうということが影響しています。
それでなくても加齢によって記憶力が低下していますから、アルコールの影響が強く出てくることも、飲んだときに話したことを覚えていない原因になっています。
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酔っ払って記憶はなくなっているのにしっかり自宅に帰れる理由
朝目が覚めると、昨日友人とお酒を飲みに行ったはずだけれども
乾杯してお酒を飲み始めてから後の記憶が残っていない
そんなに酩酊した訳でもないのにどうやって自宅に帰ったか記憶にない
何かやらかしてしまっていないか心配になって、一緒にのんだ友人に恐る恐る昨日の状況を聞いてみると
「別に普通だったよ、結構最後までしっかりしていたけど」
などという答えが返ってきたりします。
これはなぜか、
それは最初に説明したとおり、アルコールによって脳の海馬の働きが悪くなって、経験したことや見聞きしたことが、大脳皮質の方に記憶されていないだけで
脳の働き自体は飲酒によってそれほど低下している訳ではないので
その瞬間瞬間にはまともに反応することが出来ている訳です。
単に、記憶に残っていないだけということになります。
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まとめ
お酒を飲んで同じ話を繰り返すのは、アルコールにより記憶のメカニズムが初害され、その話をしたことが記憶に残っていないために発生します。
記憶に残っていないために酔っている本人は、新しい話をしたつもりなのです。
加齢と共に特にアルコールに弱くなるだけでなく短期記憶が低下しています。
お酒をたしなむときには、体内のアルコール濃度が急激に上昇しないよう、薄めのお酒をゆっくり飲む必要があります。
取りあえず記憶には残っていなくても、記憶以外の脳の機能は正常にはたらいているので回りから見ると普通に見えますが
そもそもお酒に弱くなっていますし、過度のアルコールで、記憶のないまま何か失敗をやらかしてしまう可能性もありますから、その点は充分に気を付けるようにしましょう。
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