ちょっと油断していると、ちくっと痛みが走ったと思ったら、蚊に刺されている。
やられたっ、と思ってももう遅い。
だいたい何で蚊に刺されるとかゆくなるのでしょうか。
そして、蚊に刺された時にはかゆみ止めを塗りますが、効いているのか効いていないのかよく分からないうちに、それなりにかゆみは治まっていくんですが、
何でかゆみ止めはかゆみに効くの??
かゆみ止めなんだから当たり前じゃない、という前に、かゆみ止めのメカニズムについて考えてみます。
また、あったはずのかゆみ止めがない!!
そんな時の応急処置としてかゆみを止める方法についても解説します。
蚊に刺されるとどうしてかゆくなるのでしょう
蚊に刺されるとなぜかゆくなるのでしょう
それは、蚊が人の血を吸う時に
・血を吸ってることに気づかれないように神経を麻痺させる
・吸っている血が固まらないようにする
という二つの目的のために、蚊は針で刺した時に、血を吸う前にまずある種の液体を人の体内に送り込みます。
この液体の効果で、皮膚の神経が麻痺して、刺されていることに気が付きにくくなると同時に、血液が固まらないようになります。
そして蚊は血を吸い終わった後に、この液体も回収して飛び去ります。
だから蚊が血を吸い終わるまで放置しておけばかゆくならないという人もいるんですが、そうもいきません。
で、この蚊が注入する液体が問題で、
何回も蚊に刺されているうちに、次第にアレルギー反応を起こすようになります。
蚊が血を吸う時に注入する液体成分に反応してアレルギーを発症する。
これが、刺された後、皮膚が赤くふくれたりかゆみが生じたりする原因になります。
ちなみに、このアレルギー反応が起きると、身体の細胞から「ヒスタミン」という成分が放出されます。
このヒスタミンが神経を刺激して、かゆいという感覚が発生します。
市販のかゆみ止めはなぜ効くのでしょう、その効能や副作用は
市販のかゆみ止めには色々な成分が入っていて、かゆみ止めにより、その成分の配合は異なっていますが、一般的にかゆみ止めに使われている主な成分とその効能について解説すると
抗ヒスタミン成分
前の所でも説明しましたが、かゆみの原因は皮膚細胞からヒスタミンが出てくることが原因ですから、ヒスタミンの働きを抑えることで、かゆみが軽減します。
収れん作用がある成分
収れん作用とは、皮膚の組織や血管を収縮させる作用のことで、細胞や血液の動きが抑えられることで、アレルギー反応が広がることを防ぎ、抗炎症作用や鎮痛効果を高めます。
抗炎症成分
炎症を抑え、刺されて赤くなっている部分の反応を抑えます。
冷感刺激成分
患部を冷やすと共に刺激することで、炎症を抑えながら、刺激により神経の反応を刺激の方に向けることで、かゆみの感覚を減らします。
熱感刺激成分
肌に塗ると、ヒリヒリする成分で、こちらもヒリヒリする刺激により、神経の反応を引きつけることで、かゆみの感覚を減らします。
局所麻酔成分
皮膚の表面を麻酔によって感覚を鈍らせ、かゆいという感覚を減らします。
ステロイド成分
神経の反応を抑え、かゆみや赤みを鎮めます(抗炎症作用)
非ステロイド系の成分が配合されている場合もあります。
抗菌成分
直接のかゆみ止め効果はありませんが、蚊に刺された部分や、かきむしった趾などからばい菌が入るのを抑えます。
角質化を抑える成分
蚊に刺された跡を残りにくくします。
血行を良くする成分
血行を良くすることで、炎症を起こしている成分を運び出すと共に、痛んだ細胞の修復を早めます。
市販のかゆみ止めにはこれらの成分の一部あるいは全部が配合されていて、成分の配合割合によって、それぞれ特徴を持たせています。
こうやって見ると、虫刺されや、かゆみ止めは気休めではなく、それなりにかゆみを止める効果があるようですね。
かゆみ止めの成分、例えばステロイド剤とかは副作用が気になるところですが、特にアレルギーや皮膚が極端に弱い人以外は、通常の使用において副作用を気にする必要はありません。
ただし、アレルギーがあったり、皮膚が弱い人は、購入したかゆみ止めを、身体の目立たないところに少量塗ってみて、炎症やアレルギー反応が起きないかチェックしておいた方が良いかもしれません。
市販のかゆみ止めがない場合のかゆみの止め方
蚊に刺されてめちゃかゆい、でもちょうど虫刺されやかゆみ止めを切らしてしまっている、そんな時の応急処置について解説します。
クエン酸を含むものを塗る
クエン酸にはかゆみを止める効果があります。
クエン酸を含むものとしては、レモン、お酢などがあります。
ハチミツ
患部の炎症を鎮める効果があり、炎症を抑えることでかゆみが少なくなります。
かゆいところをたたく
かゆいという感覚よりたたいた時の痛みの方の刺激が強いので、神経の伝達が痛みの伝達に集中することでかゆみの感覚が鈍くなります。
かきむしると皮膚を傷めて、跡が残ったり、ばい菌が入って化膿したりしますから、軽くたたいてかゆみを鎮めた方が良いです。
氷や保冷剤などを患部に当てる
患部を冷やすことで炎症を抑え、神経を麻痺させます。
熱くなったものを患部に当てる
火傷をするほどの熱さだとダメですが、もう少し低い温度のもの(お湯で温めたスプーンなど)を患部に当て、熱いという刺激で、かゆみの感覚を減らします。
石鹸で患部を洗う
蚊が体内に注入したかゆみの成分は酸性の成分なので、アルカリ性の石鹸で洗うことで、酸性が中和されます。
アロエの汁を塗る
アロエには刺激を和らげ、抗炎症作用があります。
急いでいる時にはアロエをボキッと折って、汁の出ている所を患部に直接塗っても良いですし、余裕があればすり下ろして、ガーゼなどに染み込ませて、患部に当てても良いでしょう。
塩もみする
何か痛そうな気もしますが(woおぉーー)
刺されたところに軽く塩を揉み込むことで、塩の浸透圧で、蚊に注入された液体の成分が、皮膚からしみ出します。
まとめ
夏場になると蚊に悩まされることが多くなります。
いっその事、刺されてもかゆくない蚊なら許してあげるのに、何て考えたことのある人もいるかも知れませんが、蚊は、地球上で最も多くの人を殺している生物です。
マラリアなどを始めとした伝染病を媒介する生物ですから、刺されてもかゆくないとかなると、もっと恐ろしいことが起こるかもしれません。
ホントは蚊に刺されないのが一番なのですが、刺されてしまった場合は、自分に合ったかゆみ止めを塗って
次からは殺虫剤や、蚊取り線香などを活用して蚊に刺されないようにしましょう。
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