アスペルガー症候群の子の特徴やチェックの仕方、対応や接し方は

アスペルガー症候群という言葉を時々聞くことがありますが、世の中一般にはなかなか正確にどういう症状なのかは理解されていないと思います。

あるいは親御さんの中にも、もしかしてうちの子はアスペルガー症候群ではないかと思いながらイマイチ判然としない場合もあるかと思います。

一概に素人判断することは危険ですが、ある程度の予備知識を持っておくことは間違った躾や思い込みを無くすためにも必要だと思います。

アスペルガー症候群の子供さんの特徴やチェックの仕方

そしてそういうお子さんに対する対応の仕方や接し方、さらには治療はどうすればいいかなどについて解説します。

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アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群の子供

アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群は「自閉症」の1つのタイプで、発達障害の中の広汎性発達障害に分類されます。

自閉スペクトラム症という言い方をする場合もあります。

宝実
確定したものではありませんが、現在は自閉症とアスペルガー症候群を合わせて「自閉スペクトラム症」と呼ぶことが多いようです

そのほかには「高機能自閉症」「高機能広汎性発達障害」もアスペルガー症候群とほぼ同じ意味で使われることがあります。

認知能力の発達や、言語能力の発達の遅れを伴わず、場合によっては特定の分野の知的能力が高いこともあり、見分けにくい場合があります。

大きな特徴としては

・相手の表情が読み取れない(その場の空気が読めない)

・人見知りはしないけれども、距離の取り方や、話の仕方がおかしい

などが挙げられます。

その場の空気が読めないアスペルガー症候群の子供

アスペルガー症候群の原因

先天的な脳の機能障害で有ると言われていますが、詳しいことは分かっていません

親の育て方に問題があるのではないかと悩む人もいますが、育て方に関係はありません。

アスペルガー症候群の発生頻度

アスペルガー症候群の発生頻度は4000人に一人と言われていますが

知的な遅れがなく、ある程度普通の暮らしに対応出来るような場合も含めると、自閉症の人よりも数は多く存在します。

性別的には男性が多くなっています。


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アスペルガー症候群の子供の特徴やチェックの仕方

アスペルガー症候群の子供の特徴

アスペルガー症候群の人の大きな特徴は3つ

○他人との社会的関係を持つことが苦手

○他人とのコミュニケーションが苦手

○想像力と創造性に関係することが苦手

であり、具体的な行動としては

・一人遊びを好む

・他の子供との○○ごっこ遊びができない

・同じ遊びを繰り返す

・行動がパターン化していて融通が利かない

・他の子供達に関心がない

・集団で遊ばない

さらに成長するに従って

・表情や身振り、声の抑揚や姿勢に独特のものがあり、慣れている人だと雰囲気で分かる。

・親しい友人関係が築けない

・習慣的な暗黙のルールが理解出来ない

・冗談や、比喩、皮肉が分からない

・特殊な偏った対象に異常に興味を抱く

などです。

人間関係が苦手なアスペルガー症候群の人

自閉症とアスペルガー症候群との違い

自閉症とアスペルガー症候群とは重なる部分も多く、完全に分離は出来ません

また、幼児期には自閉症的特徴が強くても成長するに従ってアスペルガー症候群の傾向が強くでることもあります。

一般的にはアスペルガー症候群の子供は、一見したところ障害があるとは見えないのが特徴です。

自閉症の子供に見られるような知的な遅れや言語能力の遅れは見られず

取り敢えず会話も普通に出来るし、勉強も、普通の子より出来る場合も珍しくありません。

ただし、前述したように

他人との社会的関係を持つことが苦手、他人とのコミュニケーションが苦手、想像力と創造性に関係することが苦手という3つの障害を持っているかどうかが判断基準になります。

アスペルガー症候群によくある特徴チェック

厳密には医師の診断を受ける必要がありますが、以下の項目に当てはまる場合は、アスペルガー症候群の可能性があると考えられます。

☑年長や、年少の子供と遊ぶことが多く、同年代の子供と遊ばない

☑一見むじゃきに見えるが言っちゃいけないことを平気で言ってしまう

「先生太ってるね」「お婆さんみたい」

☑同年齢の子供と遊ぶのが苦手

☑友達をしきりたがる。言うことを聞いてくれないとかんしゃくを起こす。

☑相手が困るようなことでも平気で話したり質問してしまう

「○○ちゃんの事好き」「先生は太ってるけど体重は何キロですか」

☑相手が興味ないことや、困惑していても、一方的に自分の興味のあることを話し続ける。

☑話し方が回りくどい、細かい所にこだわった会話

☑曖昧な質問に答えられない

「最近調子はどう?」などの質問に、何の調子のことですかみたいな回答をしてしまう。

嫌みではなく、本当にどういう質問なのか適当に合わせる事が出来ない。

☑突然、大人びた難しい言い回しを使ったりするが、使い方が間違っていたりする。

普段の子供同士の会話よりテレビや本などから言葉を覚えることが多いことに加えて、シチュエーションに合わせた言葉を使うのが苦手

☑相手の反応にお構いなしに、自分の話したいことを話し続ける

☑言葉の言外の意味をくみ取るのが苦手

皮肉や比喩で言われたことをそのまま受け取ってしまったり、言葉を省略したりすると意味が理解出来ないなど

☑考えていることを1度言葉に出してみないと考えられない

☑非言語のコミュニケーションが独特

相手の顔を見ないで話したり、あるいは逆にじっと睨みながら話す、話し終わる度に不自然に顔を傾ける、何かを見るときに手のひらをかざす仕草をするなど

☑言葉のキャッチボールが苦手

相手の曖昧な話しについて行けなかったり、逆に、こちらが一方的に話し続けるなど

☑普通の人なら興味を抱かないようなちょっとした事に強い興味を持ったり、熱中して1つのことをやり続ける。

☑ごっこ遊びが苦手

ごっこ遊びには、その場にないものや、自分が別人になった事を想像して遊ぶ必要があったり、遊び相手の反応に合わせて、こちらの反応も変えていく必要がありますが

そのような想像力を働かせたり、相手の反応に柔軟に対応することが出来ません。

☑収集癖がある

ミニチュアやカードなどを収集することに非常に興味を持ちます。

☑機械的な記憶力に優れている

クラスの生徒の誕生日や人の名前など機械的に覚えられるものの記憶力が優れています。

☑ルーチンワークにこだわる

並ぶときには必ず右側の一番前に並ぶとか、電車の座る座席は必ず同じ場所でないと気が済まない

☑同じ事の繰り返しは苦痛ではない

☑物まねや、再現性のあることを好む

☑各種の動作が不器用(特殊な動作は得意なこともある)

☑音や光、味覚、触覚、痛みなどに過敏なことが多い

☑自分で計画したり順序立てて物事を行っていくことが苦手

これらのチェック項目は、どれが当てはまったらどうのこうのというわけではありませんが、全体としてはこういう傾向があると捉え

また人によって、程度の差はあるので、必ずしも当てはまらない場合もあるということを理解しておいて下さい

グループから離れて一人で遊んでいるアスペルガー症候群の子供

アスペルガー症候群の子供への対応や接し方

アスペルガー症候群のことを良く理解する

アスペルガー症候群のお子さんと接するためにはまずアスペルガー症候群について良く理解する必要があります。

アスペルガー症候群の子供が苦手な3つの項目

・社会性(他の人との関係で柔軟な対応をとったり、良好な関係を保つ)

・コミュニケーション(言語だけでなく顔の表情や身振りなども動員して気持ちを伝える)

・想像力(相手の気持ちを推し量ったり、頭の中でイマジネーションを展開すること)

アスペルガー症候群の子供に欠落している能力

アスペルガー症候群のこどもはこれらのことが、先天的に苦手というか、これらのことに対応する脳の部分が未発達なために、上手く対応出来ません

ですから、時に、ふざけているんじゃないかとか、わざとやってるのじゃないかと感じる事もありますが

決してそういう事ではなく、本人としては大まじめで話したりやっているのだと言うことを理解してあげて下さい。

突発的な予定変更は極力避ける

アスペルガー症候群の子供は予定外の行動や、突発的な出来事が苦手です。

分かっていることはなるべく早めに伝えて、心の準備が出来るようにして上げましょう

予定などを伝える場合も口だけでなく、文字や絵を使って、順序よく丁寧に説明して上げることを心掛けます。

急な予定変更も、分かりやすく丁寧に教えて上げましょう。

場合によっては少しさかのぼったところから説明するなどの配慮も必要です。

「今日は○と×をやってきたよね、そしてこれから△をやる予定だったけれど○○のために出来なくなったから、その代わりに□をやることになった。□は簡単だからすぐ出来るし、今からちゃんとやり方を教えて上げるからね」

など

なるべく静かな環境を保つ

アスペルガー症候群の子供は騒音に敏感です。

おそらく普通の人であれば、騒音があっても、無意識のうちに耳から入ってくる騒音を脳の中でカットして慣れてくるのに対して

それが出来ずに、騒音は騒音としてずっと聞こえ続けている為だと考えられます。

ですから、騒音がある状況ではなかなか落ち着くことが出来ません。

騒音がある場合(乗り物、エアコンの室外機、近所の工事)イヤマフや耳栓、あるいは電子的なデジタル耳栓を使うということも考えてみましょう。

騒音が聞こえないようにヘッドホンをしている子供

意識して穏やかに接する

大人がイライラしてつい不注意に感情を出してしまったり、行動を注意したりするとアスペルガー症候群の子供は

過剰に反応して

「怒られた」「拒絶された」「自分を否定された」と思い込んでしまう傾向があります。

困った行動をその場で注意してすぐ直そうとするのではなく、時間をかけて少しずつ子供の行動を変えていくよう、気長に構えるようにします。

ルールは明確に教える

世の中にはそんなこと当たり前だろうというような規則やルールはたくさんありますが

アスペルガー症候群の子供は、暗黙の雰囲気でそれを感知することが苦手です。

ですから、やってはいけない事や、やらなければならないことを明確に教えて上げる必要があります。

言わなくてもこのくらいは分かるだろうという考えは厳禁です。

長所を褒めて前向きに考えるように仕向ける

アスペルガー症候群の子供は否定的な言葉に敏感です。

しかも、記憶力が良いので否定的な言葉が長く心の痛みとして残ってしまいます。

また、成長するに従って、自分が他の子供達と少し違っていることに気が付きだし、叱られたり、いじめに遭ったりすることも多いので

落ち込んだり自信を無くしていることもあります。

ですから、普段からなるべく前向きに考えるように仕向けるだけでなく

ちょっとした事でも褒めてあげて、自信を持たせるようにします。

褒められている子供

子供の得意なことは積極的に伸ばす

アスペルガー症候群の子供は、ちょっと一風変わったことに興味を抱き、それに熱中する傾向があります。

これをあまり意味がないからとか、無駄だとかいって否定するのではなく

その得意なこと、関心を持っていることを積極的に伸ばしていくようにします。

そしてその得意なことを広げていく中で、関連する他のことにもチャレンジして、出来る事を増やしていくということも考えましょう。

病院に向かっているアスペルガー症候群の子供と親

アスペルガー症候群の治療

日本ではアスペルガー症候群の専門家は多くはなく、精神科医や小児科医、臨床心理学の専門家の間でもアスペルガー症候群に対して詳しい知識が浸透しておらず

あるいは、短時間の診察ではアスペルガー症候群の特徴が明確に現れず、親が気にしすぎているとか、正常であると判断される場合も少なくありません

しかも、どうしても学習障害や不注意、多動性などの面が目立ちやすく

逆にアスペルガー症候群の特徴である社会性やコミュニケーション上の問題が目立たないために

学習障害や、ADHD(注意欠陥多動性障害)と混同される場合もあります。

もしかしてうちの子供はADHD?どんな特徴がああって原因や接し方は

アスペルガー症候群の治療薬は現時点ではありませんが、イライラが強いとか、こだわりが強すぎる。夜眠れないというような場合には対処療法的に薬が処方される場合もあります。

相談する診療科としては児童精神科、小児神経科

あるいは保健所、児童相談所などに専門家がいる場合もありますし、専門家を紹介してもらえる場合もあります

まとめ

アスペルガー症候群の原因はまだハッキリはしていませんが、親の育て方が悪かったとか、愛情不足といった原因ではなく

脳の認知機能に何らかの偏りがあることが原因です。

とは言いながら、能力的には一部突出して優れた部分もあり、障害があるようには見えないことから

親の躾が悪いとか育て方の問題とみられることも少なくありません。

どうしようもない部分もありますが、親御さんがアスペルガー症候群の子供さんの特徴を理解して

少しでも周りとの摩擦を起こさない環境を整備していくこと

そして専門家の意見を聞きながら気長に、お子さんの得意なことを伸ばしていくという気持ちが大切でしょう。

アスペルガー症候群の子供さんは、本来真面目で、自分の興味のあることには断然集中力を発揮しますから

上手く誘導してあげれば、成長するに従って様々な能力が開花していくことと思います。

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