汗と臭い、夏場が近づくと気になる存在です。
満員電車の中で、隣の人が汗だくで、そこは、かとなき臭いが漂ってくる。
逆の立場になれば、自分は大丈夫か、周りの人に迷惑はかけていないのか心配になります。
汗をかくとどうして臭くなるのでしょう。
あるいは逆に汗をかかないと身体が臭くなるという話も聞きますが、本当でしょうか、汗をかかなければ体臭もしないのでは?
そのあたりの疑問に答えてみたいと思います。
汗をかくとなぜ身体が臭くなるのでしょう
汗を出す汗腺には2種類ある
汗をかくと何故からだが臭くなるのでしょう?
汗は臭いものというイメージがありますが、実は汗その物は臭くないです。
人間の身体から汗を出す汗腺には2種類あって
悪名高いアポクリン汗腺
ワキガの元にもなる、臭い汗を出すところで、主に脇の下とか陰部などに集中して存在します。
もともとは異性を引きつけるためのフェロモンを放出するためのものでしたが、現代人にとって必ずしも異性を引きつけるものではない・・・
というよりは、異性が嫌がって遠ざかっていく、邪魔なものになりつつあります。
中には微妙な臭いが、異性を引きつける場合もあるようですが、余り期待しない方が良いかもしれません(^_^)
アポクリン汗腺からでる汗の臭いには個人差があり、余り臭くない人もいれば、ワキガと呼ばれる強い臭いを発する人もいます。
このアポクリン汗腺は身体の一部にしか存在しませんので、強いフェロモン臭を出す人以外は、それほど大きな問題にはなりません。
もう一つがエクリン汗腺
身体のほぼ全ての部分にある汗腺で、汗をかくといえば主にこのエクリン汗腺から出るものとなりますが、ここから出る汗には臭いはほとんどありません。
ではなぜ汗をかくと臭くなるのか?
汗が臭くなるメカニズム
汗は大部分が水分です。
汗が出たばかりの時には匂いはしません。
汗がエクリン腺から出た後に、身体の表面に付着している垢や皮脂と混ざり合って、さらに皮膚に存在する常在菌がこれをエサとして増殖します。
この過程でアンモニアに似た成分が生成され、臭いとなって周りに放たれます。
汗をかかない人はかえって体臭がきつくなるってホントでしょうか
汗が出ることで身体が臭くなるなら、汗をかかなければいいんじゃないと思う人は多いと思います。
実際、臭くなるのが嫌で汗をかかないようにしている人もいると思います。
ところが汗をずっとかかないでいると、かえってからだが臭くなってしまうことになります。
どうしてか
汗をかかないと身体が臭くなる理由
毛穴に垢や皮脂がたまってしまう
汗が毛穴から出る時には、毛穴につまっている垢や皮脂も同時に流し出すことになります。
ところが汗をずっとかかないでいると、毛穴の中には垢や皮脂がずっとつまったままになり、これらが発酵して「芳醇な」香りを醸し出すことになります。
私の友人でランニング中毒の御仁がいるのですが、彼が言うには、2,3日汗をかかないでいたあと、ランニングをして汗をかくと、ものすごい強烈な臭いがするということです。
毛穴に詰まっていた、垢や皮脂がほどよく発酵した状態で汗と共に外に押し出されることで、一気に臭いが発生するということなのでしょう。
汗をかかないでいると毛穴に垢や皮脂がたまった状態になり、汗が出ないといっても、汗腺から多少の水分は出てきますから、それらが混ざり合って発酵をはじめて、徐々に外に押し出されてきて、微妙に増幅され、複合した臭いを身体から発することになります。
汗腺の機能が低下する
通常汗が出る時には、余分なミネラルなどが出てしまわないように水分以外は再吸収するような機能があるのですが、
汗をかかないでいると、この汗腺の機能が弱くなって、余分なミネラルなどの再吸収がされなくなってしまいます。
そして汗腺の機能が弱まっているときに暑くなって汗をかくと、尿素など、再吸収されないでそのまま排出される(細菌の)栄養素たっぷりの濃い汗をかくことになり、これがまた汗の臭いを強くすることに一役買うことになります。
ということで、汗をかくと臭くなるから汗をかかないようにしているというのは、瞬間的には間違いではないのですが
ずっと汗をかかないでいるというのは、結果的に体臭の強い人と思われる原因になりかねません
お風呂で汗をかくことで体臭を抑える
汗をかかないとかえって体臭がきつくなることはお解りになったと思います。
それで、汗をかくならスポーツなどで汗をかくのが1番なのですが、スポーツが苦手だったり、毎日行うのは無理だという人もいるでしょう。
そこでオススメなのが、お風呂に入る時にしっかり湯船につかって汗をかくことです。
夏場だと暑いし、簡単に済ませられるシャワーで終わりという人も多いかと思いますが、夏場だからこそ、ゆっくり湯船につかって汗を出すようにします。
ぬるめのお湯に少し長めにつかるようにします。
お湯につかる時間は、じっとり汗ばんでくるまでが目安です。
お風呂ですから汗をかいても綺麗に洗い流せば問題はありません。
入浴後の汗が気になるなら、お風呂から上がる前に、ぬるめのシャワーでほてりを冷ましても良いでしょう。
汗をかくことは体臭予防だけではなく、身体を温めることは免疫力を高め、様々な病気予防にもなります。
まとめ
汗をかくと体臭が気になります。
だからといって、汗をかかないようにしているとかえって体臭がきつくなる場合があります。
普段、なかなか汗をかけない人は、せめて入浴の時には湯船にゆっくりつかって汗を出して汗腺の機能が弱くなってしまわないようにすることで体臭予防にもなります。
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