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疲労の原因は本当は身体の疲れではなく、脳の疲れが原因だった

健康
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2018年3月29日のBS深層NEWSで

疲労大国日本

「原因は筋肉ではなく脳。解決策は睡眠にあり!?」

と銘打って

疲労の本当の原因や根本的な疲労の回復方法などについての特集番組がありました。

 

疲労は肉体の疲れではなく実は自律神経の疲れにあった?

疲労回復の方法は?

非常に興味深い番組でしたので、私なりの分析を交えて内容を解説してみたいと思います。

 

 

この放送では日本疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さんが、疲労の原因とメカニズム、そして疲労回復の方法などについて解説されています。

疲れている人

疲れの原因は脳にあり

自律神経が疲れると身体が疲れたと錯覚する

これまで人はなぜ疲れるのか、そもそも疲れとはなんぞやということはあまり深く研究されてきていませんでした。

 

所が最近の疲労医学の研究で

疲れは身体の疲れではなく

「脳の自律神経の疲れ」

であることが分かってきました。

 

自律神経は人の意志とは関係なく、常に身体の機能を調整しています。

特に運動や仕事をしているときには交感神経が働いていて

この交感神経が活発に働いているときには自律神経も活発に働く必要があり、自律神経が疲れやすく疲労に繋がります。

 

例えば同じ距離を歩いたとしても春先だとあまり疲れないのに炎天下の夏の日に同じ距離を歩いてもかなり疲労するのは

夏場の場合は気温が高く、汗をかいたりするなどの体温調整機能を働かせなければならず、体温を調整するために自律神経がフル回転で働くために

自律神経が疲労し

この自律神経の疲れを、

「身体が疲れた」と錯覚している訳です。

 

疲れている人

披露のメカニズムと正体

疲労のメカニズムを簡単に説明すると

 

脳の自律神経が活動し大量の酸素を消費する

活性酸素が発生

自立神経をさびさせる

自立神経本来の働きが出来なくなる

パフォーマンスの低下、仕事の効率低下

 

これが疲労の正体になります。

 

運動や仕事をして身体が疲れたと感じていても

実は自律神経が疲れていて、自律神経の疲れを身体の疲れと誤解して疲労感を感じる訳です。

 

昔、疲れるのは身体を動かしたり仕事をすると「疲労物質」というのが出てきて、疲労物質が多くなると、疲れたと感じるというようなことを聞いたことがありましたが

疲労の正体は、自律神経の疲れだったんですね(゚◇゚)

 

疲労の度合いは測定できる

この自律神経の疲労度は測定することが出来ます。

酸化ストレスマーカー、血液、尿、自律神経などを検査することで疲労の度合いを数字で示すことが可能になっています。

 

今後、会社の仕事(過労の状態)やスポーツ選手の練習などに応用できることが期待されますが

現時点では、測定に1~2万円ほどかかるために、普及していないことがネックになっています。

 

新入社員

春は疲れやすい原因

4月は学校を卒業したり、新しい会社に就職したり、転勤などで環境や人間関係が大きく変わり

変化に対応するために、自律神経はフル回転しています。

 

その結果、その反動で5月になると自律神経が疲れ切って、いわゆる5月病というものが出てくることになります。

 

疲労度チェックをしている疲れた人

脳の疲労度セルフチェック

以下の項目に一つでも当てはまれば、脳を疲労させている原因になります。

物事は切りの良いところまでやる

こういう人は仕事を最後までやろうとする責任感が強く、疲労しやすい傾向があります。

因みに、ライオンは疲れていると、お腹が空いていても獲物を追おうとしないそうです。

 

所が、人間は前頭葉の発達により、疲労感をコントロールできるようになっています。

一生懸命仕事をやっているときに、無意識のうちに脳がコントロールして疲労感を自分で消してしまい疲労を感じなくなっています。

 

特に達成感を持って仕事をしていると疲労を感じにくくなっています。

所が実際には身体は疲労しているので、気が付いたら過労死に至っていたということになりやすくなります。

 

逆に、この仕事はつまらないなあと思いながらやっていると、すぐに疲労感を感じますから、過労にはならない(^_^)vということです。

 

仕事に集中するのは疲労という観点からすると危険な状態とも言えます。

集中することによって、他のことに注意が向かなくなりますし、疲労感も感じません

注意を分散できる人の方が疲れにくく疲労が溜まる事がありません。

 

因みに極限の集中力はせいぜい2秒しか続きません

野球のバッターは構えてから2秒以上ピッチャーが球を投げないと、バッターボックスを外しますし

相撲の立ち会いも2秒が限界、間合いが2秒以上合わなければ大概お相撲さんも立ち上がって仕切り直しになります。

 

集中している人

ストレス解消で身体を動かす

ストレスがかかっているということはずいぶん自律神経も疲れていることになりますが、身体を動かしたり、運動することで自律神経はますます疲労が蓄積することになります。

精神的ストレスに対して、身体を動かすことで、ストレスが発散されるように感じますが、疲労という観点から言うと、疲れが増えるだけのようですね(^^;)

 

遅くまでの残業が苦でない

今回の放送では触れられていませんでしたが

ある研究では、人間が1日に働けるのはせいぜい12時間が限界という話もあります。

 

それ以上仕事をしても、惰性でやっているだけで、効率はかえって悪くなるだけ

長時間毎日仕事をしても、結局仕事のパフォーマンスは12時間以下の勤務時間の時より悪くなってしまいます。

 

ですから、毎日遅くまで残業して、気持ち的には苦にならなくても、身体(自律神経)は確実に疲労を蓄積しており、

実際の仕事のパフォーマンスはどんどん下がっている可能性があります。

残業している人

日中に眠気があり、大きないびきをかく

日中に眠気が襲ってくるということは、睡眠不足、睡眠負債に陥っています。

また、夜寝床に入って5分以内に眠ってしまうという人は、睡眠負債の状態になっています。

 

正常な人なら、寝床に入って5~10分程度眠るまでに時間があるはずです。

また、いびきをかく人は、寝ているときに気道が狭くなっています。

 

これは、細いストローを使って風船を膨らませているようなもので、一生懸命呼吸をするために自律神経は休まる事がなく

呼吸をするために血圧が上がったり、心拍数が上がったりと

結局、朝起きたときに自律神経は疲れてしまっています。

 

いびきは睡眠(=自律神経を休ませる)の大敵

 

いびきを無くすためには、痩せるか

あるいは横向きに寝ることがオススメです。

横向きに寝ることで80%の人にいびきがなくなります。

 

横向きに寝るにしても胃の形(胃の出口が右側にある)から右向きに寝るのが健康に良いとされています。

参考

いびき防止対策、抱き枕とあいうべ体操で、のどいびきが大きく改善

 

集中力で没頭して周りが見えない

集中力が優れている人は一般的によいことだと思われていますが、一点集中型は、どうしても疲労を感じにくく、長時間仕事などに没頭してしまう傾向があります。

 

疲れたら栄養ドリンクを飲む

疲れたら休むのが1番なのに、栄養ドリンクを飲むということは、疲労を我慢して仕事を続けようとする気持ちの現れです。

 

また、栄養ドリンクにはカフェインが入っていますから、一種の興奮状態になることで疲労を感じさせなくするものです。

決して疲労が回復しているのではなく、疲労を分からなくしているだけですから、疲労を蓄積していくことに繋がります。

栄養ドリンクを飲んで頑張っている人

屋外で過ごす時間が長い

屋外では多くの見知らぬ人と行き交います。

都会などでは人混みの中を歩いたりすることにあまり抵抗はないかもしれませんが、気が付かないうちに、自律神経は行き交う人の表情を観察したり、行動を警戒したりしてフル回転で働いています。

 

車やバイクが走っていますから交通事故にも気を付けなければ行けませんし

屋外は強い日差しがあったり、風が吹いていたり、気温も高かったり低かったり何かと自律神経を働かせて体調を整える必要があります。

ということで、屋外にいることは意外と自律神経をすり減らすことになります。

 

 

ドライブで休憩をあまり取らない

運転するときには座っている姿勢をしています。

この時腰はくの字に曲がっていますから血流が非常に悪くなります。

 

特に長時間連続して座っていると下半身に血液が滞留し、下半身に血流を送り出すために自律神経は一生懸命働き続けます。

ですから、なるべくこまめに休憩して、下半身に血流を取り戻してやることで自律神経の疲れはずいぶん改善します。

車の運転に集中している人

 

熱めの風呂に長湯が好き

熱めのお風呂に長時間つかっていると、体温が上がり、自律神経は体温を下げようと必死で働き始めます。

汗が出るのもその働きの一つです。

 

本人は、ゆっくりお風呂につかり、汗を流すことでリラックスし疲労が回復すると思っているかもしれませんが

実は全く反対、

疲労が増えているだけ

となります。

温泉でゆっくりしている人

休日は遠出の旅が多い

休日に遠くへドライブに行ったり、温泉に行く人も多いともいますが

疲労の観点から言うと、遠出の旅は疲れるだけの結果になります。

 

往復の車の運転や、あるいは電車であれば行き帰りの電車の中での様々なストレスや緊張

そして、遠くへ行くということは、見知らぬ場所

見知らぬ場所では、本能的に危険を避けるために、無意識であっても常に周囲を警戒し、緊張感が高まって

→自律神経がフル回転で働いています。

 

つまり、休日の遠出は疲れるだけ

決して身体を休ませることにはなりません(>_<)

 

疲れたら高カロリーの食事を摂る

食糧不足の時代ならある程度効果があったかもしれませんが、現代はみなさんカロリーは充分すぎるほど摂取しています。

疲れたからといってうなぎを食べても全く無意味です。

 

そもそも、高カロリーの食べ物を食べて疲れをごまかそうとしていること自体が疲れている証拠ですし

疲れを食べ物で解消しようとしていることは逆に疲れが溜まっている現れでもあります。

疲労回復のために高カロリーの食事をしている人

趣味で夜更かしをする

趣味で夜更かしするのは、自分の好きなことをやっているので、疲労に気が付かないということです。

当然、疲れを感じていないだけで疲れは溜まっている訳ですし

そもそも夜更かしすることで、充分な睡眠がとれなくなって、疲労回復もしっかり出来ていませんからダブルパンチになります。

 

長時間座り姿勢で仕事をする

車の運転と同じように長時間座り姿勢をキープすることは、足の付け根の部分の血流が悪くなり、自律神経の疲労の原因になります。

ですから、短時間で良いのでこまめに立ち上がって、疲労を回復する様にする必要があります。

 

混雑したバスや電車に乗る

現代の都市部の人口密度は、原始時代には考えられないほどの高密度になっています。

因みに、同じケージにマウスを混雑したバスや電車並みに多数入れると、あっという間にマウスは胃潰瘍になってしまうそうです。

 

多数のみ知らぬ人が密集するバスや電車の中では、無意識のうちに自律神経がフル回転して

周りの人との接触を調整したり、周りの様子をうかがったりしていますから、相当なストレスが自律神経にかかり、想像以上に疲労に繋がります

満員電車

職場に苦手、あるいは嫌いな人がいる

職場=近くに苦手、あるいは嫌いな人がいれば、その人のことが気になって、意識的、無意識的にその人に注意が向けられていますから、自律神経は疲労します。

どうでした、あなたはいくつ当てはまったでしょう

普段の何気ない行動が、あなたの疲労を加速させていることも結構あることが理解出来たと思います。


自律神経のトータルパワー

自律神経の機能(能力)を数値化することが出来ます。

様々な年齢性別の人の自律神経の機能を測定した結果

図のような数値が出されています。

 

自律神経のトータルパワーの年代別数値

自律神経のトータルパワーの年代別グラフ

身体の筋肉は10代から50代の間に30%しか低下しないのに対して、自律神経のパワーは1/3以下に低下しています。

歳をとると集中力がなくなり、急激に体力がなくなったと感じるのは、この表の通り

筋力などの物理的体力が減少しているのではなく

自律神経の能力が年齢と共に急激に落ちるのが原因になっています。

 

つまり

自律神経の老化=体力の低下

という図式が成り立ちます。

 

この自律神経のパワーは個人差があり50代でも70代以下の人もいるし、

40代でも20代並みのパワーを持っている人がいます。

 

残念ながら、いったん低下してしまった自律神経のパワーを上げるのは難しいそうです。

ただし低下を遅らせることはある程度可能ということです。

退屈して居眠りしている人

脳の疲れのサインとNG習慣

脳の疲れのサイン

脳の疲れの3代サインは

1 あきる

2 作業効率が落ちる

3 眠くなる

 

普段歩いている距離でも

「今日はタクシー(バス)で行こうか」とか

デートで楽しいはずなのにイマイチのらない

というような場合には、疲れは感じていないけれど疲れているサイン

疲れているサインを感じたら早めに休むのがポイントです。

疲労をため込むNG習慣

長時間の入浴

長時間入浴して、汗がにじんでくるようになれば、お風呂に入りすぎです。

汗がでてくるということは自律神経が働き出して体温を下げようとしていますから、疲労の原因になります。

お風呂は汗がでてくるまえに出るようにしましょう

長風呂している人

寝酒

寝る前にたくさんの飲酒をすると、自律神経が麻痺して眠りに入りやすくなりますが

アルコールを分解して出来る有害物質や利尿作用によって睡眠の質は悪くなります。

 

疲労を回復するには質の良い睡眠を取るしかありません。

質の良い睡眠によってのみ自律神経が休まります。

参考
飲酒と睡眠、飲んだ翌日は早く目覚めるのは?飲酒の翌日に眠いのは?

 

起きてすぐの運動

起きたばかりの時には自律神経はまだ目覚めていません

中高年であれば心筋梗塞、脳卒中などの可能性が高くなってしまいます

朝起きてすぐの散歩などを楽しんでいる人もいますが、あまり好ましくはなく特に朝食前の運動は控えた方が良いでしょう

 

目覚まし時計で目覚める

目覚まし時計のけたたましい音で起こされると自律神経が朝イチから驚かされて始まる訳で、心拍数や血圧が急激に上がり、自律神経が疲労する原因になります。

出来るだけ、朝は朝日を浴びて自然に起きるようにした方が好ましいです。

目覚まし時計

靴下を履いて寝る

睡眠に入るときには身体の深部の体温が下がります。

所が靴下を履いていると足からの放熱がスムーズに行えず、体温が下がりにくくなることから、睡眠の質が低下することになります。

参考
睡眠負債とは?その症状は?放置すると危険?睡眠負債を解消する方法は?

 

寝るときにエアコンを使わない

寝るときにエアコンを使わないという人が結構いますが、逆に健康には悪影響になります。

寒かったり暑かったりして睡眠の質が悪くなったり

あるいは暑くて寝汗をかいているときは寝ていても自律神経が休めず働いていますし

逆に寒過ぎる場合にも自律神経が体温を上げようと頑張ってしまいます。

 

ですから無理をせず、寝るときには適温になるように上手にエアコンを使った方が疲労をためないことになります。

エアコンを付けて寝ている人

自律神経を疲れさせると老化が進む

疲労を回復するには質の良い睡眠を取って、自律神経を休ませるしかありません。

しっかり睡眠がとれないと睡眠負債と疲労が溜まって自律神経がどんどんさびついていきます。

これが更に進むと自律神経が元に戻らなくなります。

 

これが先程示した自律神経のパワーの低下となって現れます。

自律神経のパワーの低下=

疲れやすく、体力の低下となり

いわゆる老化に繋がります。

自律神経をさびさせないための対策

睡眠負債が溜まると、どんどん自律神経がさびていき、老化に繋がります。

そこで、自律神経をさびさせない対策は

熟睡できない人

 

しっかり質の良い睡眠を取る

質の良い睡眠を取る方法として

就寝3時間前には夕食を摂る

寝る前までにお腹の中の食べ物を消化しておくことで、眠っている最中に

消化活動=自律神経が働く

ことがなくなり、自律神経を休ませ、睡眠の質が良くなります

参考
寝る直前に食べ物を食べるとよくない理由と、空腹にならないための方法

 

低脂肪で消化の良いメニュー

食べた物を消化する際にもエネルギーを使いますから、自律神経も疲労します。

より胃腸に負担のかからない食事をすることで、自律神経もバリバリ働く必要が無くなります。

 

就寝前にはオレンジ色の照明を使う

オレンジ色の照明は夕焼け照明とも言われ、夜行性の動物以外は、そろそろ寝る時間だと無意識のうちに感じ、精神的にリラックス状態になります。

 

エアコンで快適な室温にして寝る

前の所で説明したとおり、体温調整で余計な働きをせず自律神経がゆっくり休めるようエアコンを調整して快適な温度で睡眠が出来るようにします。

 

右向きで寝る

仰向けで寝るとどうしてもいびきをかきやすくなります。

酸素不足や、呼吸すること自体に体力を消耗しないように横向きで寝るようにします。

胃の形(出口が右側)の特性から出来れば右向きに寝るようにします。

 

自律神経を休ませる休日の過ごし方

自律神経を休ませるためには質の良い睡眠が1番なのですが、休日にしっかり休むことも疲労回復に効果があります。

休日の過ごし方として温泉に泊まりがけで行くという人もいると思いますが

これが意外とNG

 

どうしてかというと

行き帰りの移動で疲れる

温泉に行けば何回もお風呂に入る
→体温調整で疲れる

見知らぬ新しい場所
→本能的に無意識のうちに緊張して、警戒心が発生する

温泉に行くと近場を散策するというのも警戒心の現れ
→周辺を警戒監視する警戒行動

だから家に帰ってくるとホッとする。

 

つまり、一泊二日で温泉に行くというのは、疲労回復の点から言うとダメダメ行動ということになります(^^;)

結論として、疲労回復のためには休日は自宅周辺でのんびり過ごすのが1番

というなんともはやトホホな事になります。

まとめ

人が疲れたと言うとき、実はそれは自律神経が疲れているということになります。

過労死を防ぐためには一生懸命集中して仕事をしてはダメ(^^;)

 

疲労をため込んで自律神経をさびさせていくと、自律神経のパワーが減少

それが体力の減少となって現れます。

毎日適度に仕事をして、しっかり睡眠を取ることで自律神経も回復し疲労が溜まるのを防ぎます。

 

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