庭にノラ猫が侵入してきてマーキングや糞の被害に遭っているような場合、なんとかして猫を庭に入らせないようにしたいものですが、なかなかそううまく行かないですね。
ちょっとした植え込みの隙間や、ブロック塀なら乗り越えてきますし、何なら門の前を正々堂々と入ってくる始末。
そこで庭を猫にとって、快適では無い空間にすることで、猫を庭に侵入させないための方策として、人間にはなんともなくても、猫が嫌がる臭いを出す植物を庭に植えるという方法があります。
今回はこの中でも、特に効果のあるレモングラスの育て方について解説します。
レモングラスは、庭の虫や蚊よけにもなるので、一石二鳥の効果が期待できます。
レモングラスとは
レモングラスはイネ科の多年草で別名はレモンソウ(檸檬草)とも言われます。
インド原産でアジア料理やカリブ料理でよく使用されるレモンのような香りがするハーブです。
高さが1.5メートルほどになり、葉はまっすぐで細長く、長さ1メートルくらいあります。
レモンのような爽やかな香りがあり、猫が嫌がる柑橘系の香りを強く持っていることから、効果的に作用します。また、笹のように尖った葉が長く伸びるため、香りの効果のある範囲も広いです。
タイのスープ・トムヤムクンなどの料理の香り付けに用いられたり、ハーブティーとして利用されるほか、水蒸気蒸留法で得られる精油は、食品や飲料、香水に添加されます。
ハーブティー以外にも、様々な効能・効果があり、ストレスをやわらげたり、集中力を増したりするほか、胃の調子を整え手くれる効果もある事から、エスニック料理などの食材や、アロマセラピーなどとしても利用されています。
レモングラスに含まれるシトラールには、虫が嫌がる効果があり、虫よけスプレーや防虫剤の原料としても利用されています。
レモングラスの育て方
入手
苗を購入した方が、手軽だと思いますが、苗が入手できない場合は種から育てても良いでしょう。
種まきは、
時期は4~6月
発芽適温20~25℃
・種まき用土を育苗ポットに入れて湿らせる。
・深さ1cmほどの穴を掘り、種を2~3粒蒔く。
・軽く土をかぶせ、水を与える。
・土が乾かないようにしながら、明るい日陰で管理。
・草丈が5~6cmほどになったら、元気な芽を1本残して、他を間引く。
・草丈が10cm程度になったら鉢や庭に植えつける。
置き場所、日当たりなど
レモングラスは、日当たりと風通しが良い場所を好みます。酸性土壌に傾いている場合は、事前に有機石灰などで土壌改良をしておきます。
暗い場所では、レモングラスは健康的に育だたず、香りも弱くなり、猫よけの効果が弱まります。
地植えのレモングラスは草丈が1m以上になり、横幅も大きくなるので、高さや幅を考えて植える場所を選びましょう。
水やり
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたときにたっぷりと水を与えます。極端な乾燥は苦手です。
地植えの場合は、植え付けてから根をしっかりとはるまで土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。しっかり根付いたあとは、とくに水やりの必要はありません。
肥料
植え付けるときに堆肥をしっかり混ぜ込んでおきます。成長期の4~10月には、追肥を行います。
生育が活発で、肥料が不足すると、葉が黄色く変色したり、細くなったりします。
病害虫
レモングラスは、病気や害虫などの心配はほとんどありません。
ただし、湿気が苦手なので、水はけの悪い場所や水のやりすぎに注意。
梅雨時期は根腐れを起こすことがあるので注意が必要です。
用土(鉢植え)
レモングラスは酸性の土壌が苦手で、水はけのいい土を好みます。
植え替え
鉢植えの場合は、根が込み入ってきたら4~9月に植え替えをします。
かなり大きくなりますから、早目に大きな鉢に植え替えておいた方が良いでしょう。
地植えの場合は、とくに植え替えの必要はありません。
増やし方
株分けで増やします。適期は5~9月
植え付け後は、根がしっかり張るまで水をたっぷりやります。
冬越し
元々インド原産ですから寒さは苦手です。5℃以下になると枯れます。
鉢植えの場合は室内に取り入れるか、暖地であれば株元から切り取って、カバーやマルチングを行って冬越しを行います。
地植えでも暖地であれば根元で茎をカットして苗の周りをワラや腐葉土でマルチングして管理します。
その他
・収穫は、6~10月頃、株元から5~6cmくらいのところで葉を切り取ります。
レモングラスのデメリット
猫よけ対策として使用している分には問題ないと思いますが、ハーブとしての効能も高いことから、ハーブティーや料理などに使う場合は
・イネ科にアレルギーがある場合は、体質に合わない場合があるので生葉・乾燥葉の利用は控えましょう。
・レモングラスには利尿作用がありハーブティーなどで多量に飲用すると、トイレが近くなる場合があります。
・レモングラスの主成分であるシトラールは、皮膚に塗ると刺激があり、肌が弱い人などは、高濃度の精油をマッサージなどに利用すると肌に刺激がある場合があります。
・レモングラスには、子宮収縮作用があるため、妊娠初期〜中期はハーブティーなどとしての使用を控え、授乳中も避けるようにした方が良いです。
猫対策としてのレモングラス
・猫にも個体差があり、レモングラスを嫌がらない猫もいる様ですから、他の猫が嫌う植物と合わせて栽培すると良いと思います。
少なくともレモングラスは、香りも良く、ハーブティーなどとしても活用できるので、無駄にはならないと思います。
・鉢植えにして、1カ所だけで無く、猫の進入口や通り道、あるいはいつも猫が滞在したり糞をする場所近くなどの複数の場所に配置するようにしましょう。
猫が慣れてしまわないよう風向きなどを考えて時々配置を換えるのも良いでしょう。猫が、ここは居心地が悪いなあと感じさせれば成功です。
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