この前まではあんなに元気だったおじいちゃんに元気が無い
特に病気になったとか、悩みがあるわけでもないのに、最近急激に元気がなくなり何もしなくなったおじいちゃん
なんとか、活気を取り戻してあげる方法は無いのでしょうか
高齢になって元気が無くなる原因
高齢になって元気が無くなるのにはいくつかの原因があります。
体力の衰え
高齢になると、若い人の考える以上に体力が衰えてきます。
とにかく体力がないので生きているだけで精一杯という状態になってきます。
そうなると、昔趣味だったことも、家庭内の色々な事も、
どうでも良くなってきます。
そして人間が疲労を感じるのは、身体が疲れるのではなく脳(自律神経)の疲れです
10代の頃に比べて50代で筋肉は30%低下しただけなのに
自律神経のパワーは1/3にまで低下
60代では1/5
70代では1/8
年齢と共に加速度的に低下していきます。
筋力の衰えもありますが、それ以上に脳が疲れやすくなっていて
ちょっと何かしただけでものすごく疲労を感じてしまいます。
若いときにはこのくらい大した事無いと思っていても、高齢になると結構疲れるし
そんなこと疲れるからしたくないし
という気持ちが強くなります。
おじいさんが喫煙者ならCOPDを疑ってみる
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は喫煙者の20%、ヘビースモーカーであれば70%くらいの人が罹患する肺の病気です。
ある疫学調査では日本人のうち500万人以上がCOPDに罹患していると推定されていますが
そのうち、実際に自分がCOPDだと自覚して治療を受けている人は25万人程度
95%の人は自分がCOPDだと気が付いていないか、薄々気が付いていても、禁煙を強制されることを恐れて治療を受けていないなどの可能性があります。
COPDはタバコの煙に含まれる有害物質によって肺細胞が死滅していく病気で
徐々に進行することから、若いうちはあまり気にならず
また歳をとって息切れなどが起きても、単に歳をとって体力が低下したからだと思い、肺の疾患であることに気が付きにくいという特徴があります。
高齢になってCOPDが進行すると、何もしていなくても酸欠状態で、歩くのもやっとという状態になり、本人は非常にきつい状態なのですが
周りからは足腰が衰えて体力がなくなったというふうにしか見られないことも多いです。
歌丸師匠の死因、COPD(慢性閉塞性肺疾患)は喫煙者には他人事では無い病気
注:高齢者で喫煙者の場合、一度病院で診察を受けてもらうことをおすすめします。
視力の低下
緑内障や黄斑変性などもありますが、病的なものでなくても
老眼は例外なく誰にでも発生し、近くに焦点が合わせられなくなり老眼鏡がないと本を読んだり細かい物を見たりすることが難しくなります。
また、焦点だけでなく、レンズ自体の性能が悪くなって、細かい物をしっかり判別できなかったり
ほとんどの高齢者が程度の差はあっても白内障になります。
因みに高齢者の白内障になっている人の割合は、軽度なものも含めると
60代 75%
70代 90%
80代 100%
となっています。
ここまで来ると白内障は病気と言うよりは加齢現象ととらえても良いのではないでしょうか
視力が衰えると
例え老眼鏡を使って焦点を合わせられても、目の解像度が落ちているので、小さなものが判別しにくくなります。
読書が好きだった人でも、細かい文字が見えにくくなったり、集中力が低下しているので、読書をやらなくなったり
釣りが好きだったけれども手元の細かいことが出来にくくなり、仕掛け作りが面倒になってやめてしまった
その結果、趣味や読書などの知的な活動が出来なくなって、頭の働きがにぶくなったり、生活のハリがなくなって元気が出なくなるというような場合もあります。
様々な物が無くなっていく
高齢になるに従って、それまでに自分が獲得してきたものが無くなっていったり、能力などが低下していきます。
上り坂ではなく下り坂だけが続く状態です。
先程の視力の低下も有ります。
歯が抜け、白髪が増えたり毛髪が抜けたり
筋肉が少なくなって力や体力も右肩下がりです。
1年前と比べると出来る事も少なくなっていきます。
もしかしたら車の運転免許証を返納した人もいるでしょう
あるいは、昔は職場で偉い立場だった人が定年になり、次第に訪れてくる人もいなくなる。
自宅でも、一家の主から、場合によっては今は介護を受ける立場かもしれません
以前に比べれば家庭での相対的な立場は下がっているでしょう。
住み慣れた、思い出の残る家から、新しい家への引っ越しがあるかもしれません
さらに、自分の友人や親族が亡くなって親しい人も年々少なくなっている事でしょう。
自治会の役員をしたりすることも無くなり、近所づきあいも減少しているはずです。
そういった毎日の中で、朽ち果てていく自分を見つめていると
言いしれぬさみしさや不安を抱えて、中にはうつ状態になったりする人もいると思います。
元気の無くなったおじいちゃんを元気づける方法
かまってあげる
高齢になってくるとどうしても、友人や知人が少なくなったり、外出して一緒に遊びに行くと言うこともままならなくなります。
その上、好きだった趣味の事も視力や体力の低下でやること自体が億劫になって
刺激がなく、鬱々とした毎日を送っています。
ですから、若い人が、機会を設けておじいちゃんにかまってあげるようにします。
・話し相手になる
あえて悩みの相談に乗ってもらうとか、おじいちゃんの昔話を聞いてあげる
「それ前にも聞いたよ」なんて絶対言っちゃダメですよ
分かってても
「へーそれでどうなったの」「おじいちゃんすごかったんだね」などと相づちをうってあげましょう。
昔話をしてもらうときには、おじいちゃんが若かった頃のアルバムを見ながらなんてのも効果的だと思います。
おじいちゃんも若かった頃の懐かしい写真を見て、気持ちも若返るかもしれません
・生活環境をチェックしてあげる
おじいちゃんの部屋の窓が開けにくいんじゃないのかとか、エアコンにホコリが溜まっていなかとか
家具の配置が使いにくくなってるんじゃないかとか
色々気にしてあげましょう
分かっていても高齢者はなかなか力仕事が出来なかったり、面倒くさがって放置している場合があります。
ホントに不便で困ってることもあるだろうし、そういう事を会話すること自体、おじいちゃんにとって嬉しい場合が多いと思います。
・一緒におじいちゃんと何かをする
おじいちゃんが釣り好きなら、一緒に行って上げるとか
多分高齢になると釣りに行きたくても物理的に行けなくなっていたりします。
あるいは将棋をしたり、一緒にカラオケに行って歌うなども良いでしょう
おじいちゃんには昔の懐メロ曲など勧めてみてはどうでしょう
ボディータッチを積極的に
高齢になると意外に他の人と肌を触れ合う機会が少なくなります。
所が、人間にとってボディータッチ、人との肌のふれあいが心の安定に大きく貢献します。
ですから機会を設けておじいさんに触ってあげるようにします。
といっても、いきなり手を握ったりするのも変ですから
肩や手を揉んで上げたり
小さなお子さんがいるのであれば、おじいちゃんに抱っこしてもらうなどの機会を積極的に設けるようにします。
温泉旅行に連れて行く
高齢になると、なかなか外出する機会もなく、自宅の中で過ごすことが多くなっています。
加えて体力もなくなっている上に、様々な意欲も低下していますから
温泉旅行に誘って上げることで、おじさんに元気を取り戻してもらいましょう。
単なる旅行であれば疲れるから嫌だなと思う事が多くなっている高齢者ですが
温泉に行くと言えば
「ゆっくり休んで疲れも取れる」というイメージがあります。
実際は、温泉って、体力面から言うと結構疲れるんですが
高齢者から見ると温泉で疲れを取れば少しは元気になるかななんて思ってもらえます。
さらに、温泉旅行に行くことで、自宅にいる時とは違う格段に沢山の刺激を受けることになりますから
おじいさんの沈んだ心を明るくするのに役立つはずです。
まとめ
高齢になると体力がなくなり、
精神的にも、様々な喪失経験が重なる毎日、
体力や容姿の衰えや、自分が生きてきた時代からの変化や
友人知人、親族の死などによって、無常観や無力感に染まって
場合によってはうつ状態になっている可能性もあります。
ですから、元気の無くなったおじいちゃんに対しては
無理矢理励ますのではなく
家族や周りの人が積極的に関わって上げたり
毎日の生活に刺激を与えて上げることで、生活にハリを持たせ
生きている楽しみを感じてもらう事が大切です。
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