最近よく糖質制限って言葉を聞きませんか?ビールや食べ物にも良く糖質オフとか書いてあるものが増えてきましたが
もしかして、糖質って身体に悪い物なのでしょうか、あるいは糖質をオフにすれば摂取カロリーが少なくなってダイエット出来るとか???
その辺りのメカニズムがイマイチ分かりにくいですし、最近は健康診断で、高血糖だと指摘される人が増えているし、高血糖は糖尿病にも関係あるみたいだから何か心配です。
さらに、糖質制限について色々話を聞いていると、やり過ぎると危険だという話もあります。
一体全体どうなっているのか、
今回は
・糖質制限とは何?
・糖質を制限するとどうなるの?
・糖質制限でダイエット出来るメカニズム
・糖質制限に危険はないの
・どうしたら安全に糖質ダイエットが出来るのか
そういう疑問に答えてみたいと思います。
糖質制限とは?どのように行えば何に効果が有るのでしょうか
まずは糖質に関連する疑問について、簡単に解説します。
そもそも糖質とは?身体に必要な物なのでしょうか
糖質って言葉の感じから何か
糖分=甘いもの、砂糖みたいな感じがしますが
糖質ってのは甘いものとは限りません
糖質の中にはご飯やパン、芋などに含まれるデンプンにも糖質が含まれています。
糖質+食物繊維=デンプン
となります。
で、砂糖を食べ過ぎると骨が溶けるなんて話もあって、何か糖分は身体に悪い成分のようなイメージもありますが、実は糖分は身体にとって必要不可欠な栄養分でもあります。
ちょっと専門的に解説すると
体内に吸収された糖分は、肝臓でブドウ糖に変換されて血液中に流れ出して、人間の様々な細胞で、活動に必用なエネルギー源として使われます。
(一部はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に保存されます)
所が使い切れなかったブドウ糖は、中性脂肪に変化し肝臓や「脂肪細胞」の中に蓄えられます。
ここは皆さん興味あると思うので繰り返しますが
「脂肪細胞」の中に蓄えられます。
脂肪細胞の中に蓄えられるとは分かりやすくいうと「肥満」するということです。
ぢゃあ、やっぱり糖分は身体に毒なんだ
って思わないで下さいね、最初に言ったとおり、糖分はブドウ糖になって、身体の活動に必用なエネルギー源になっています。
糖質が不足するとどうなるの
糖質が不足すると、身体に必要なエネルギーが不足してしまいます。
そうなるとどうなるのか
人間の身体の中で1番ブドウ糖を消費しているのは脳です。毎日摂取している糖分のうち半分は脳で消費されています。
つまりブドウ糖が不足すると脳の働きが悪くなり、眠くなるくらいなら良いのですが、
記憶力や集中力が低下し、精神的に不安定になったり、酷い時には精神錯乱や奇妙な行動、昏睡やけいれん等を起こして最悪、死にいたる場合も有ります。
そのほかにも脳の働きが悪くなるだけでなく、頭痛やめまい発汗、震え、
心臓の動悸や筋肉痛、腰痛、手足の冷えや体温の低下、目のかすみなど
まあ、要は身体全体がガス欠状態ですから、様々な身体の機能に麻痺状態が起こることになってしまいます。
また、糖質が不足すると、身体は生命維持のために、筋肉を分解してエネルギー源にしようとしますから、基礎代謝が低下して太りやすい体質になってしまうという弊害も有ります。
あるいは、脂肪を燃焼してエネルギーを作ろうとしますが
(えええっ、脂肪を燃やす!!やっぱりダイエットに効果が有るんじゃない?)
脂肪を燃焼させる時にケトン体という物質が作られ、これが増えすぎるとケトアシドーシスという危険な状態になる可能性もあります。
ケトアシドーシス:ケトン体が急激に増えることで高ケトン血症になり、その結果血液が酸性になり、その他諸々の影響の結果、悪心、嘔吐、腹痛や脱水状態から死にいたる場合も有ります。
糖質を取り過ぎるとなぜ太るの
これは前にも言ったとおり、糖質を取り過ぎると、エネルギーとして使い切らずに中性脂肪となって脂肪細胞の中に蓄えられることになりますから、脂肪細胞がすくすく育って大きくなります。
注:人間の体内にある脂肪細胞の数はほとんど変化しません。太る太らない=脂肪が増える増えないは、脂肪細胞の一つ一つが大きくなったり小さくなったりすることを意味します。(>_<)
糖質制限とは
糖質制限は、糖質の摂取を制限することです。って答えになってないですが・・
糖質制限には大きく2種類あって
毎日の糖質の摂取量を限界まで減らす方法と
ある程度糖質の摂取量を減らす方法の2種類があります。
ただしどちらも身体に必要な栄養分である糖質を制限するのですから、長期間行う事は生命の維持に危険が及びますから2、3ヶ月とか期間を区切って行うようにします。
時々この辺りを勘違いしていて、長期間の糖質制限を続けて、健康を害したり、深刻な健康状態になってしまう人もいます。
糖質制限とその効果
糖質制限はなぜ行われるのかその理由や目的、効果などについて説明します
糖尿病や高血糖の治療や予防
健康な人は、体内の糖分が増えると、膵臓から糖分を分解するインスリンが分泌されるのですが、糖尿病になるとインスリンがしっかり分泌されなくなり血中の糖分濃度(血糖値)が上がりすぎて、血管を傷つけたり、様々な障害の原因になってしまいます。
ですから、糖尿病の人が医師の監督の下、糖質制限を行うことで、治療の一環やダイエットを目的に行ったりする場合があります。
あるいは糖尿病予備群の人が血糖値が急激に上がらないよう、糖尿病予防のために糖質を制限した食事を摂る場合も有ります。
健康診断で血糖値が高いといわれたけど、なぜダメなの、下げる方法は
ダイエット
糖質を制限することで、脂肪が増えることを予防するだけでなく、糖質が不足すると、不足するエネルギーを得ようと、脂肪細胞を燃焼させようという働きが起き、ダイエットに効果が有ります。
ただし、糖質制限によるダイエットは、前にも述べたとおり、筋肉細胞が減少し基礎代謝が落ちるので、太りやすい体質になることや、脂肪をエネルギーに変える時に作り出されるケトン体の悪影響もあります。
また、正しい知識のない人が極端な糖質制限を行う事で、人間の生命維持に必用な様々なエネルギーが不足して、身体のあちこちに不具合が発生する場合があります。
糖質制限は意外と危険、安全に糖質制限でダイエットする方法
糖質制限は意外と危険
糖質制限は危険だと言うことは。前の章でも述べているので大体分かると思いますが、更に危険なのは
糖質ダイエットする時に、他の栄養素(タンパク質、脂質)は食べても良いと言うことで、
糖質制限=体重が落ちる(ダイエット出来る)
&
空腹は我慢する必要はない
ということに味をしめて、極端な糖質制限に走ってしまう人がいることです。
あるいは前回の糖質制限で○○kg減量に成功したので、もう一度と思って再挑戦したものの、実際は筋肉量が減少して基礎代謝が落ちていたり、身体が糖質制限になれてしまって、なかなか体重が落ちないことから
更に極端な糖質制限を行おうとすることです。
糖質制限はダイエットに効果が有る(脂肪を燃焼する)といっても、栄養のバランスが崩れることで、体内の脂肪分を消費しているだけで、必ずしも健康的な状態とは言えません。
安全に糖質制限でダイエットするために
これまで説明したとおり、極端な糖質制限は、身体をとても危険な状態にしますから、なるべくマイルドな糖質制限に納めることや、期間を定めて行うようにした方が良いでしょう。
そのほか糖質ダイエットを行う時に気を付けることは
体重が減った分脂肪が減っている訳ではない
糖質が体内にある時、単独で存在する訳ではなく糖質1gに体して3gの水分と結びついています。
ですから、糖質制限をすると体内にある水分も減っていきますから、見た目にはずいぶん体重が減っているように見えても、その多くは水分が減っているだけです。
また、糖質制限により脂肪が燃焼する時にケトン体が作り出されますが、このケトン体を体外に排出するために尿が増えることから更に体内の水分が減少します。
これらのことから、糖質制限を行う事で体内の水分が大量に排出されて、脱水状態になる場合がありますから、いつもより水分を多めに摂ることを心掛ける必用があります。
注意するのは、水分が不足するからといっても、スポーツ飲料や経口補水液などには大量の糖分が含まれていますから、お茶や水で水分を補給するようにしましょう。
アルコールや薬を飲む時には気を付けて
糖質制限を行うと、アルコールに弱くなります。
その理由は
・体内の水分が少なくなっているので血中アルコール濃度が高くなりやすい
・アルコールの分解には水分が必用だが体内の水分が少なくなっている
・糖質制限=炭水化物を食べていないことから、胃や腸の中でのアルコール吸収速度が速くなります。
(炭水化物が胃や腸の中にあるとアルコールの吸収速度を遅くします)
・肝臓は通常アルコールの分解を最優先しますが、極端な低血糖状態では糖の合成にも力をそがれ、肝臓のアルコール分解能が低下します。
また、通常でも糖分が不足している状態では肝臓の機能が糖分の合成に能力を取られ薬などの分解能力が落ちているので、薬が効きすぎる状態になる可能性があります。
ですから、調子に乗ってアルコールをガンガン飲んだり、飲み慣れていない薬を服用する時には、十分注意する必用があります。
便秘や下痢になることがある
糖質制限すると、炭水化物を食べなくなります。
そうなると腸内細菌のバランスが変化して便秘になったり下痢をしたりする事があります。
改善には1~3ヶ月ほどかかるかもしれません
体臭や口臭がきつくなる
体臭や口臭がきつくなっても健康自体に影響がある訳では無いですからダイエットの効果に比べれば「別に、大したことはない」影響ですが
糖質制限によって、脂肪分が分解されてケトン体が生成されることは前にも話しました。
所がこのケトン体には独特の匂いがあって
体臭や口臭から甘酸っぱいような匂いが出てきます。
極端な糖質制限をすれば更にケトン体の匂いが強くなりますから、その辺りは覚悟しておくか、何らかの対策を取っておく必用があります。
栄養不足にならないようにしっかり食事を食べる
糖質制限により身体のエネルギー源が不足している状態になっています。
その結果、脂肪細胞などが燃焼されてダイエットになる訳ですが、更に短期間で効果を上げようと、そのほかの栄養分(タンパク質や脂質)まで制限してしまうと
身体のあちこちがガス欠になって働かなくなり、様々な健康障害が出てきます。
眠気が取れない、異常な倦怠感、疲れやすいなどがまず出てくると思いますが、放置すれば更に深刻な病気の原因になったりしますから、極端なことはやらないようにしましょう。
長期間継続しない、習慣にしない
何度も言いますが糖質ダイエットは、栄養のバランスを崩すことで、たまった脂肪を燃焼させる手法です。
ある程度ダイエットに成功したら、やはりバランス良く食事を摂ることが大切です。
長期間継続したり、例えばご飯や炭水化物を一切取らない等の食生活が習慣になってしまうと、必ずそのひずみが出てきて健康に影響が出てきます。
糖質制限はやはり体重が増えすぎて健康に悪影響があるとか、血糖値が最近高止まりだという場合に、運動などと組み合わせてマイルドに行う程度に抑えた方が良いと思います。
その他糖質ダイエットの弊害
そのほかにも糖質ダイエットの弊害があります。
極端な糖質ダイエットでない限り心配はないですが、極端なことをすると、こういうことにも影響があるということで項目のみ列挙しておきます。
・内臓への負担
・悪玉コレステロールの増加
・血行不良
・体温の低下
・免疫力の低下
・精神的ストレス
まとめ
糖質制限により糖質の摂取を少なくすることで、身体に必要なエネルギーが不足し、その結果脂肪分が燃焼され、ダイエットにも効果が有ります。
ただし糖質制限は、悪くいえば、栄養バランスを崩すことで、身体の機能を使って緊急避難的なエネルギー生成を行う方法ですから、長期間行う事は必ずしも健康に良いとは限らないということをあたまの片隅において行う必用があると思います。
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