初めて金魚を飼う時、たいていの人は水槽で飼育を始めると思いますが、何を準備して、どのように飼育を始めれば良いのでしょう。
金魚は気楽に飼える反面、間違った飼育方法で簡単に病気にしたり、★にしたりしてしまいがちです。
正しい飼い方をしていれば、10年以上元気で、あなたの目を楽しませてくれる金魚。
最低限これだけは準備して飼育を始めた方が良いということについて解説します。
初めて金魚を水槽で飼う時には何を準備すれば良いのでしょうか
水槽で金魚を飼育する時に最低限必要な物は
・水槽
・フィルター(濾過器)
・砂利(底砂)
・ガラス蓋
・排水ポンプ
・バケツ
になります。
その他あった方が良いもの
・水槽の照明
・水槽台
・エアポンプ(エアチューブ&エアストーン)いわゆる「ぶくぶく」
・塩
・カルキ抜き
・網
・水温計
特に必要の無いもの
・水草
・ヒーター
それぞれについて解説すると
水槽
60cm水槽を推奨します。
60cm水槽
理由は
30cmや40cm水槽だと水量が少なく、環境の変化や水質の悪化が激しく、金魚への影響が大きい上に、金魚が小さいうちは良いのですが、成長すると1年くらいですぐに手狭になってしまいます。
また、40cm水槽では、大人の金魚だと適正飼育数は1匹か2匹ですから、かなり寂しい感じになってしまいます。
(60cm水槽で3,4匹です。それ以上増やさないようにしましょう)
40cm水槽で無理して多数飼育しても初心者だとすぐに病気にしたり★にしたりしてしまうと思います。
もちろん90cmや120cm水槽の方が余裕を持って飼育が出来ますが、一般家庭だと大きすぎてもてあます場合が多いと思います。
またスリム水槽(奥行きなどが狭い)やらんちゅう水槽(高さが低い)は水量が少なくなるので、避けた方が良いと思います。
購入する場合、国内で販売されている水槽であれば、何でも良いと思います。
前面の角が曲げガラスになっているものは見た目綺麗で高級感がありますが、価格が上がってしまいますので予算と相談して決めたら良いと思います。
曲げガラスになっている水槽
フィルター(濾過器)
フィルター(濾過器)は上部濾過器を選択しましょう。
かっこいいからと外部濾過器を選ぶ人がいますが、金魚は糞の量が多く、すぐに濾材が目詰まりして、洗浄や交換の必要がありますから、手入れが簡単な上部濾過器が適しています。
複雑な機構のものを選んでしまうと、どうしても清掃が遅れがちになり、金魚に悪影響が出てしまいます。
上部濾過器を設置している場合は、エアーポンプ(ぶくぶく)でエアーを補給する必要はありません(水流によって酸素が補給されます)
上部濾過器
砂利(底砂)
清掃がめんどうだからと砂利を引かずに、水槽に何も入れないで飼育する人もいますが
(何も入れていない水槽をベアタンクといいます)
特に初心者の場合は水質が安定しやすいよう砂利を入れた方が、失敗が少ないですし、見た目も良く、金魚も落ち着きます。
注:水槽に砂利を入れておくと、砂利の表面に濾過菌が繁殖して、水質の悪化が遅くなります。
砂利は見た目が良い五色砂がありますが、値段が安い大磯砂でも問題ありません。
熱帯魚用の特殊なものもありますがPHなどが変化する場合もありオススメしません。
ガラス蓋
水槽の上が開けっ放しだと金魚が飛び出したり、ものを落としてしまったりと事故の元ですから、ガラス蓋は必要です。
ちょっとした振動で水槽が揺れて、水が跳ね上がることも防げます
排水ポンプ
水替えの時に使います。手動式のもので構いません
排水出来る場所まで、少し距離のある場合はバスポンプを使う場合もあります。
バケツ
何気にバケツは必需品です。
水替えや金魚が病気になった時、緊急事態の金魚の避難場所など、結構使う場面は多いです。
15Lくらいの大きめのものが使いやすいと思います。
その他水替えの時には20~40Lくらいの水を汲みおいておく必要があります。
特に水を汲みおいておく場所が無い場合は60Lくらいのポリバケツなどが必要になるかもしれません。
その他あった方が良いもの
水槽の照明
室内で、日光が当たりにくい場所に水槽がある場合は、金魚の健康を兼ねて、水槽用の照明を設置しても良いです。
照明で明るくした方が、金魚の色揚げにもなりますし見た目もキレイです。
夏場などで日中、室温が高くなりすぎる時には照明を使うと水温が高くなりすぎる場合があるので注意します。
また、夜間は金魚も眠りますので消灯しましょう。
水槽台
60cm水槽で約60kg、大人の体重くらいありますから、不安定な場所に置くと危険です。
水槽が設置出来るしっかりした場所があれば良いのですが、無い場合は専用の水槽台を使います。
スチール製の簡易なもので充分ですが、インテリアを重視するならそれなりの物をそろえても良いかと思います。
スチール製の水槽台
キャビネット式
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エアポンプ(エアチューブ&エアストーン)
上部フィルターが回っていれば必要ありませんが、緊急の場合
・上部フィルターが故障
・金魚が病気でバケツに隔離(塩浴など:後述)
・やむを得ない急な水替えのときに金魚を避難させたバケツで使う
など、何かあったときのために、準備しておいた方が良いでしょう。
使う時には万一の水の逆流などがないよう、バケツや水槽などの水面より高い位置に設置します。
塩
経験の長い人だと、金魚が病気になった時には薬など使わずに塩(塩浴)だけで治す場合が多いです。
病気で無くても、金魚の体調が悪い時にも効果を発揮します。
金魚を塩浴する時は通常0.3%~0.5%の塩水で行いま。す
0.5%の場合15Lの水に対して塩75gを混ぜます。
(初めてだと塩の量が意外に多いので驚くかもしれません)
カルキ抜き
水道水には塩素(カルキ)が入っているので、水道の水は通常は半日~1日程度くみ置きしたものを使いますが、
水槽に金魚に有害なものを落としてしまったとか、水質の悪化に気づくのが遅れて、急いで水替えが必要になった場合など、緊急の場合に備えて保有しておきます。
通常の水替えには出来れば使わないようにしましょう。
網
金魚をすくう網です。無くても何とかなりますが、これが無いと何かと不便です。
水温計
その時々の水槽の水温を確認したり、水替えをしたりする時に使用します。
ただし、手で水温を比べてもかなり正確に水温の違いをチェックすることは出来ます。
特に必要の無いもの
水草
初心者の方だとどうしても金魚に水草は定番、見てくれも良いしということで水槽に入れようとする人が多いですが、金魚にとって水草はエサですから、引っこ抜いて食べてしまいます。
大概はバラバラになって水槽を汚してしまうだけの結果になりますから、なるべくなら入れない方が良いと思います。
水槽は汚れるけどエサ代わりで良いという人もいるかと思いますが、購入してくるならお金がかかりますし、近所の川などで採取してきたものですと害虫の卵や、ウイルスが寄生している場合もありますので注意が必要です。
ヒーター
金魚は3~33度くらいの広い水温域で飼育することが可能です。
注:10度以下になると半冬眠状態になります。
北海道などで、室内でも氷点下以下になるような環境で飼育しているのであれば別ですが、通常の室内で飼育しているのであれば、特に必要はありません。
季節を感じた方が金魚も健康に育ちます。
・冬場にかなり室温が下がる&冬場でもしっかり餌を食べさせたい
・人がいる時といない時で極端に室温が変化する
などの場合は、使っても良いかと思います。
水槽を購入するならセットで
初めて金魚を飼育する場合で水槽などをお持ち出ない場合は、セットで購入した方が良いと思います。
たいがいの水槽セットには余分なものも含まれていますが、水槽や上部濾過器、その他を単品でそろえるより安くなるはずです。
チェックする点として
・60cm水槽(曲げ水槽の場合はやや高額)
・上部濾過器のもの(外部濾過器がセットのものがあります)
この点を抑えればあとはお好みで選んで良いと思います。
60cm水槽セットの例
こだわりとか、元々お持ちのものがある場合は単品で購入しても良いでしょう。
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水槽に金魚を入れる前にやるべき事
金魚を入れる前に水を入れて濾過器を回す
新しく購入して水を入れたばかりの水槽には濾過菌がいませんから、出来れば2、3日水だけを入れて、濾過装置を回す必要があります。
市販の水質安定剤などは入れなくても自然に濾過菌は繁殖しますから必要はありません。
もし、2、3日の余裕が無い場合はすぐに金魚を入れても良いでしょう
(カルキ抜きはすること)
この場合は、エサは3日くらいはやらないようにします。
最初は多少水が汚れますが、エサをやらなければ、2,3日のうちには濾過菌も繁殖して水も澄んでくるはずです。
金魚は水温の変化に敏感
金魚は水温の変化に敏感です。
新しく水槽に入れる時には、以前入れていたところの水温と1度以内の水温差になるように気を付けましょう。
ビニール袋に入れていた場合は、水と金魚が入ったビニール袋ごと水槽に浮かべて10~15分くらいかけて、水温が同じようになるようにします。
バケツなどに入っていた場合は、水槽に入るくらいのバケツに入れ替えて、同じように水に浮かべて水温を合わせるようにしてから、ゆっくり金魚を入れるようにします。
水槽で金魚を飼い始めたら注意すること
エサのやり過ぎに注意
金魚を病気にしたり★にする1番の原因はエサのやり過ぎによる水槽の水質悪化です。
金魚にやる餌の量は、金魚の食べ具合とか金魚の数では無く、毎日一定の量にする様にします。
というのは水槽と濾過器のような能力が限られた環境の元では、水質を一定に保つ事は困難で、毎日徐々に環境が悪化していきます。
この環境の悪化は、見た目では判別が困難で、通常は1週間に1回とか2回とか、定期的に水替えをすることで元の状態に復活します。
所が金魚がエサを欲しがるからと調子に乗って、与えすぎると、水替えの前に、金魚が生存出来る限界より水質が悪化してしまって、金魚の調子を悪くしてしまうことがよくあります。
あくまで、餌の量は水槽と濾過器の容量と水替えの頻度によって決めるべきで、
水替えの頻度がほぼ一定(例えば毎週日曜日に水替えを行っているなど)だとすれば、毎日与えるエサの量も一定にしなければなりません。
付け加えるならば、水替えを頻繁にすることは金魚にとってストレスになりますし、
水替えの失敗はよくあります。
・水温の調整ミス
・水質の変化
・濾過器を止めたまま放置(電源入れ忘れ、コンセントの緩み)
など、思わぬ事態が発生することもあります。
丹頂
また、水替えの直後は濾過菌の状態も不安定になっていて濾過能力は低下しています。
ですから、エサを与えすぎたから水替えを頻繁にするというのも必ずしも金魚のためになる訳ではないということを理解しておいて下さい。
餌の量の目安としては60cm水槽であれば1日に小さなスプーン1杯分くらいです。
あとは水替えの頻度などとの関係になりますが、少なくとも、水替え前に金魚の様子がおかしくなるようであれば、エサのやりすぎということになります。
もっとも、餌の量を一定にするといっても、水温の上がる夏場には多少量を増やした方が良いですし、冬場で水温が下がる時にはエサの食いつきも悪くなります。
(水替えの頻度は季節によって多少変わってきます)
ただし、室温が夏冬でそれほど変わらない場合は、餌の量を余り替えない方が良いでしょう。
その他。水替えをする日は朝からエサはやらないようにします。水替えした直後も同様です。
(エサをやるのは時間をおいてからあるいは翌日からにします)
水替えで水質が変わっていたり、金魚が体力を消耗している時でも、金魚は本能的に餌を食べてしまうので体調を崩すことがあります。
土佐金
定期的な水替えを
金魚の水槽飼育では、水質を維持することは困難ですから、定期的に水替えをします。
水替えを怠っていると大抵金魚の調子も悪くなってしまいます。
水替えは1/2~2/3程度を1週間に1,2度行います。
なるべく1度に全部を変えてしまうことはやめておきましょう
(水が腐敗したとか水質が極端に悪くなってしまったという場合を除きます)
定期的に行うといっても夏場など金魚の新陳代謝が盛んな時季には、3/4くらいの水替えを行っても大丈夫ですので、水替えの量を(または頻度)を多くします。
水替えの際には、前にも説明したとおり1日ほどくみおいたカルキが抜けた水で、交換するようにします。
また水替えの時には水温が大きく変わらないよう(1度以内)に注意します。
らんちゅう
定期的な濾過機の点検
毎日、エサをやる時で良いですから上部濾過器を点検しましょう。
点検するといっても、濾過槽の蓋を開けて水が流れているか、濾材が目詰まりしていないか見るだけですので3秒もかかりません
故障で濾過器が止まっていたり、パイプが外れていることが時たまあります。
上部濾過器の場合、エアーの補給も兼ねていますから、止まったままだと最悪、金魚が全滅という場合もあります。
あと、上部濾過器の場合、濾材が目詰まりしていると水がオーバーフローして流れていますからすぐに分かります。(濾材を通らず、水が上の方からあふれて流れている)
金魚の様子がおかしいからとフィルターをチェックしてみると濾過器の濾材が詰まってオーバーフローしているというようなことはよくあります。
濾過器の濾材はできれば水替えの時に古くなった水槽の水で詰まった分を洗い流すと良いと思います。
水道の水で洗ってしまうと、水道の水に含まれるカルキの影響で、せっかく濾材の中で繁殖した濾過菌が死滅してしまいます。
まとめ
金魚は、基本的なことを守っていればとても飼いやすい魚です。
ところがこの基本的なことが守れないために、金魚をダメにする人が跡を絶ちません。
ホントちょっと気を付けてあげれば10年以上にわたって我が家の清涼水のような存在になる金魚ですから大切に飼ってあげましょう。
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