車の自動運転、自分で車を運転したいという人もいるでしょうけど、長距離の運転になるとちょっとキツいし、観光旅行なら、運転に気をとられているより周りの景色も見たかったり、あるいは普段の運転でも、自動運転により、車内で自分のやりたいことができればずいぶん時間の節約になります。
何よりも最近は高齢者の誤操作による事故が後を絶たず、運転免許を自主的に返納する人も増えています。とはいうものの、車がないと買い物や通院など生活に困る人もいます。
そうなると気になるのが、次第に現実のものになってきている車の自動運転、今後、いつ頃になれば自動運転が普及してくるのでしょう。
自動運転が普及すれば私達の生活にも大きなインパクトがあります。そこで今後の自動運転がいつ頃普及するのか調べてみました。
自動運転レベル3が普及するのはいつ頃?
自動運転は、人間が関与する状態や、どこまで自動的に運転が行われるのかという段階によってレベル分けがされています。自動運転のレベルがイマイチよく分からないという人は下記の記事を参照してください。
自動運転レベル3とは、特定の環境において、完全に自動運転が出来る状態で、必要があれば、人間が運転を交代する必要があります。
日本でも、2020年から高速道路などで一定の条件の下で自動運転レベル3が認められるようになりました。
とは言っても、現時点(2021.3月)では、自動運転レベル3の車は発売され始めたばかりです(3月5日にホンダから世界初の自動運転「レベル3」となる車が発売になりました)
自動運転機能が搭載された車は「レジェンド:LEGEND Hybrid EX・Honda SENSING Elite」で価格は税込みで1100万円、リース専用車両100台限定で生産・販売されるそうです。
もっとも、高速道路の渋滞で時速30キロ以下で走行している時に使用出来るということで、機能や環境的にはまだまだ活用場面は限定されています。
ちなみに調査会社の富士キメラ総研によると、レベル3以上の車両市場が世界で2030年に914万台、2045年には6419万台なると予想していますが「個人所有よりは商用輸送が中心となる」とのことで、高速道路に限ったとしても、我々庶民が、普通にレベル3の機能を搭載した車を運転?出来るのはまだまだこれから先と言えます。
2020 自動運転・AIカー市場の将来展望(富士キメラ総研)
注:本編資料は有料販売
そうは言っても2025年には、レベル2の車両、中でも、車線変更サポートや限定条件下でのハンズフリー機能が付随した高機能レベル2の比率が10%を超えるとみられていて、自動運転まではいたらないものの、運転手がしっかり監視している条件下で、運転操作としては自動運転レベル3に近い環境が実現できる車両が増えてくるものと予測されています。
若いときには車の運転ってあまり負担にならないものですが、中高年になると加齢に伴う動体視力や、体力、集中力の低下から長時間の運転は結構疲れます。
そういう時に車線の維持、変更や速度の制御を車が自動的にやってくれるようになれば、運転の負担はかなり減少しますし、逆に周りの状況を把握することに神経を集中することが出来、運転に伴う危険性が減少することも考えられます。
自動運転レベル4が普及するのはいつ頃?
レベル4になると、高速道路など一定の条件が加わるものの、完全な自動運転になります。
一定の条件下とは言え完全自動化になり、運転手は不要になることから、空港内の一定のエリアなどや、決まった経路しか走らないバスなどが先行して普及するものと予想されており、我々一般の人がレベル4の機能を持った車を運転?するようになるのは、さらに後になると考えられています。
(レベル4の車でも、特定の条件(高速道路など)以外の一般の道路などを走行するときは、人間が車を運転する必要があります)
日本政府が主導しているIT総合戦略本部は2020年に「官民 ITS 構想・ロードマップ 2020」を発表しています。
この中で自動化レベル4については、自家用車については2025年を目処に高速道路での自動運転、トラックについては2025年以降、高速道路での自動運転技術が開発されると期待しています(実現期待時期)
前述の富士キメラ総研の調査によると、生産台数ベースのレベル4(レベル5も含む)世界市場は2030年に343万台、2045年に2,139万台に達すると予測しています。
高速道路だけでも完全自動運転が可能になれば、例えば遠距離を旅行する時など、ずいぶん楽になります。
インターチェンジに入ったらあとは自動運転モードにして後はテレビを観たり、同乗者との会話に集中したり、雑誌やスマホを見たりして時間を潰すことが可能になります。
自動運転レベル5が普及するのはいつ頃?
自動運転レベル5になると、車の運転は完全に自動になります。行き先などの入力装置や、各種計器などは残るかもしれませんが、ハンドルやアクセル、ブレーキなどの運転操作に必要なものはなくなり、動く個室のような感じになります。
目的地を入力すれば、あとは寝ていても、同乗者と向き合って会話したり、テレビを楽しんだりといったことも可能になります。
前述の「官民 ITS 構想・ロードマップ 2020」では生活道路などの混在空間や、廃線跡やBRT(バス高速輸送システム)専用空間といった限定空間においては、それぞれ1カ所程度で監視付きのサービスを開始して徐々に対象を拡大すること、
2023~2025年を目途に遠隔監視のみの自動運転サービスを数カ所で開始する目標を掲げています。
また、共同通信グループのアジア特化媒体「NNA」が発表した中国の主要・新興EVメーカーのCASE戦略分析結果によると、「ほとんどの企業が2030年までにレベル5を実現させるべく開発を進めている」ということです。
ですから2030年頃には一部実験的ではあるものの、自動運転レベル5が実現するものと思われます。
といっても自動運転が実験的に始まるとは言うものの、一般の人がごく普通に、レベル5の車を所有?するようになるまでには、まだ先の話になるのでしょうが2040年頃にはかなり自動運転車が普及していることでしょう。
まとめ
車の自動運転というと、何か夢物語のように考えている人も多くいます。SNSなどを見ていると50年後とか100年後の話だから我々には関係ないなどと発言している人も多いようですが、現実は急激に自動運転の技術開発が進んでいます。
10年後には、高速道路での自動運転が進み、レベルは違っていても、ほとんど運転操作は必要ない車が増えているでしょう。
また、トラックなどの輸送も高速道路などでかなりの部分が自動化されているはずです。
おそらく、今現在50歳の人が70歳(2040年)になるころには運転免許証の返納は考えなくても良い時代が来ているかもしれません。
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