日本人の英語ベタには定評があります。
古来から日本人は外国の先進技術や思想を取り入れる際に
古くは漢文(中国語)
明治以降であれば英語など、当時の先進国の言語を積極的に取り入れ
一生懸命翻訳してきた結果
世界中の技術や思想などに関する文章を日本語で理解することが出来るようになり
逆に、他の非英語圏などの国々に比べると、外国語の必要性が低いという
恵まれた環境からくる理由があります。
それはそれとして
日本人の英語ベタの中には
発音が悪い
という部分も大きな要因となっています。
なぜ日本人の英語(外国語)の発音が悪いのか
イントネーションやリズムなどの違いなどの原因もありますが
一番大きいのは日本語で発音される50音の発音に、大きな原因があります。
なぜ日本語の50音が英語(外国語)の発音の障害になっているのか解説してみたいと思います。
日本語は必ず母音と一緒に発音される
皆さん小学校などで「あいおうえお」を習ったと思います。
日本語の音はこのあいうえお50音で表現されます。
この50音をローマ字(発音)で表示してみると
あいおうえお(a、i、u、e、o)
かきくけこ(ka、ki、ku、ke、ko)
さしすせそ(sa、si、su、se、so)
などなど
それぞれの音には必ず母音のa、i、u、e、oのどれかが必ず含まれている事が分かります。
50音をローマ字表記にしてみました。
(表記法については、正規の物ではなく説明の都合上単純化してあります)
wi(ゐ)=い、we(ゑ)=え、yi=い、ye=え、などは古代では発音されていたようですが、発音しにくいという理由も有り、現代では別の発音しやすい音として発音され、区別しないようになっています。
実際に発音されているのは「ん」を含めて46文字
日本人は外国語も50音で発音してしまう
日本人が言葉を発するときにはこの50音が基本になります。
特殊な例外を除いて、話し言葉は全てこの50音で発音されます。
そして、この50音は「全て」母音単独、あるいは子音に母音と合わせて発音されます。
ところが外国語ではごく普通に子音単独で発音されるものがあります。
この結果どうなるかというと
例えば
helpをネイティブは「help」と発音していますが
日本人は、勝手に各子音に母音をくっつけてこれを「helupu」と発音してしまいます。
この他にも、いくつか例をあげると
water(wˈɔːṭɚ )→uwootaa
aircraft(ɚkr`æft)→eakurahuto
などなど
外国語では子音が単独で発音されるのに
日本人は50音の癖で、子音単独で発音しなくてはならない場合でも、ついつい母音をくっつけた形で発音してしまい
これがネイティブの人には別の単語と聞こえてしまいます。
逆の立場でいえば
「江戸川」を「えどのがわの」とか
「東京へ行くにはどの電車に乗れば良いのですか」
という文を
「とうあきょういへいくにはうどのえでんしゃおにのればあいいのでいすかう」
などと発音しているようなもので、非常に聞き取りにくい
というよりは、何を言ってるのかよく分からないと思います。
日本語には母音が5つしかない
また、日本語には母音はa、i、u、e、oの5つしかありません
一方英語には
ʌ、æ、ɚ、ai、au、ά、i、i:、u、u:、e、ei、ɔi、ou、ɔ:、ə
と、16個の母音が有り
日本人には「ア」としか聞こえなくても、ネイティブはʌ、æ、ɚ、ai、au、ά、の6種類の発音をそれぞれ聞き分けています。
これも逆の立場で考えれば
母音がa、i、u、e、oの5種類ではなく「a」だけしか持っていない言葉を話す人を仮定すると
かごしま(kagosima)を(母音は3種類)
かがさま(kagasama)(母音は1種類)
ということになってしまい
これも日本人の発音の聞き取りにくさ、あるいは外国人の発音を日本人が聞き取れない原因になっています。
昔私がアメリカにいた頃、妹が遊びに来て、一緒に旅行に行ったことがありますが
飛行機の機内サービスでCAから飲み物は何にするかを聞かれた時に
妹は
「ko-hi-」と答えたところ
コーラが出てくることに(^o^)
そして旅行の帰りの便でも
妹は今度こそということで
「kooo!hii」
と声を張り上げたのですが
CAさんは自信を持ってコーラーを出してくれたという次第で
せめて
「ka-hi-」
といってれば、もしかしたらコーヒーがでてきたのかもしれません。
CAさんから見れば、日本人の言ってるのは
「コーキー」→「coke」と聞こえていたのでしょう。
これについては、日本が翻訳大国
たいがいの外国語は日本語になっていて
それもカタカナ文字なんかになっていると
本来の発音とは全く異なるジャパニングリッシュになって
かえって、あちこちで言葉が通じない悲劇が生じることになるようです。
まとめ
日本人の英語(外国語)が通じない大きな原因として
日本語には母音が5つしかなく、しかも、50音全ての発音に母音がくっついているという発音上の特徴があるために
子音単独で発音すべき所で、勝手に母音をくっつけて発音してしまうこと
そして、外国人にすれば異なる発音をするべき単語(母音)を
日本語には5種類しかない母音でまかなおうとすることで、外国人には日本人の発音が聞き取りにくい
日本人は外国人の発音が聞き取れないということになりがちということになります。
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