今年は家族に不幸があったり、何かと良い事がなかったから心機一転、来年早々、初詣に行ってすがすがしい新年を迎えたいというところですが
喪中に初詣に行って良いものなのでしょうか
また、初詣に神社に行けないとなると、今年もらったお守りや、縁起物はいつ返せば良いのかも気になるところ
さらに年賀状や正月飾りはどうすれば良いのでしょう
今年は家族に不幸があったけど喪中に初詣は行っても良いのでしょうか
今年、家族に不幸があった場合、喪中に神社に行くのは良くないということを聞いたことがあるような気がする。
となると来年の初詣は行かない方が良いのでしょうか
基本的に、不幸があったから初詣に行ってはいけないという決まりはないのですが
一応、喪中は神社には行かない方がよいということになっているようです。
一応というのは、
かって、太平洋戦争が終わった後に廃止された服忌令(ぶっきりょう)という規則が昔ありました。
服忌令では、例えば父母が無くなった後50日間は神社への参詣などを遠慮するなどと定められていました。
服忌令は元々は、あの犬将軍と言われた徳川家綱の時代に定められたもので、その後明治7年に、整理した形で太政官布告として全国に公布されたものです。
「忌」は故人の祀り事に専念する期間で神社への参詣や神域に立ち入ることを遠慮する期間
「服」は喪に服する期間
とされています。
昔はこのような規則があったため、身内に不幸があった場合は一定の期間は神社へ行くのは遠慮するという習慣が生まれました。
参 考
(太政官布告第百八号)(明治七年十月十七日)
服忌令で定められていた忌服期間は次のとおりです。
故人 忌の期間(忌中) 服の期間(喪中)
父母 50日 13ヶ月
養父母 30日 150日
継父母 10日 30日
夫 30日 13ヶ月
妻 20日 90日
嫡子 20日 90日
(家督を継ぐ子供)
末子 10日 30日
養子 10日 30日
夫の父母 30日 150日
祖父母 30日 150日
母方祖父母 20日 90日
曾祖父母 20日 90日
母方曾祖父母 なし なし(遠慮1日)
兄弟姉妹 20日 90日
嫡孫 10日 30日
(家督を継ぐ孫)
末孫 3日 7日
七歳未満ノ小児 なし なし
など
神道の考えでは「死」は穢れとして、忌避されています。
注:神道では死そのものは穢れとして避けられますが、死んだ人は神の国に行って幸せになり、子孫を守ると考えられています。
注2:仏教では死そのもをを穢れとする考えはないので、葬式をお寺で行うことは普通ですが、神社でお葬式を行うことはなく、神道では各家などで葬式を行います。
ですから、喪中であっても初詣に「お寺」に行くことは何ら問題はありません
それでは神道では、親族が無くなったすぐあとに神社に参拝することをどのように考えているのでしょうか
各地方や神社によって考え方や慣習があることもあるようですが、神社本庁(神社の総元締め:東京都渋谷区に所在)の見解を要約しますと
・「服忌」については、地域の慣例に従う
・特に慣例がない場合には、五十日祭までが「忌」の期間、一年祭(一周忌)までを「服」の期間とするのが一般的
・「忌」の期間である五十日を過ぎれば、特段の事情がなければ神事を再開しても良い
・「忌」の期間中は、神社への参拝を遠慮する。
・やむを得ない場合には、お祓いを受ける。
注:神道では仏教の49日に当たるのが50日祭です。
ですから、一般的には、親族が亡くなってから50日間は神社に参拝するのは遠慮した方がよいということになります。
遠慮ですから、絶対ダメというわけではありませんが、特に初詣などは縁起物、ある意味「福」を求めて参拝するようなものですから、あえて神様がお怒りになるようなことをする事もないと思います。
注:初詣は、昨年一年間の無事を神様に感謝し、今年1年の無事と平安を祈願するものです。御利益だけ求めて行っちゃダメですよ(^^;)
初詣に行けないなら、今年もらったお守りなどはいつ返せば良いのでしょうか
神社でもらったお札や、縁起物の有効期限(^^;)は1年間とされていますから、初詣などに神社に持っていって納める人が多いと思います。
でも、身内に不幸があって初詣を遠慮した場合、持っているお札や縁起物はどうしたらよいのでしょうか
大きな神社であれば、お札おさめ所などが常設されているので、都合の良い時にそこへ持っていってお守りなどをおさめればよいです。
目立たないところに設置されている場合もあるので、分からなければ社務所などで確認すれば良いと思います。
ただし、社務所があるような大きな神社であれば、まず、問題なく、お札などをおさめることは出来ますが、神主さんが常時滞在しないような小さな神社であれば、お札おさめ所などはないことが多いので注意しましょう。
ちなみに、お札などはもらったところに返す方が良いのですが、遠方にあるなど、なかなか行けない場所でもらった場合であれば近場の神社におさめても問題はありません。
ただし、これは神社に言えることで、お寺の場合は他のお寺や神社でもらったお札などをおさめることを許していない場合が多くなっています。
喪中の年賀はがきや正月飾りはどうすれば良いのでしょうか
喪中はがきは、1年以内に近親者に不幸があった場合に出します。
絶対的な決まりというものはありませんが一般的な慣習ということであれば
近親者の範囲は
両親、配偶者、子供、配偶者の両親、兄弟姉妹あたりが一般的のようです。
祖父母や配偶者の兄弟姉妹の場合は、お互いの関係性や、周りの親族に相談してということになります。
お互いの関係性:
同居していたとか、ほとんど家族のように接していたなど
それより遠い親戚の場合は、喪中はがきは出さないことがほとんどです。
基本的にはあなた本人の気持ちと、周囲の親族で特に気にする人がいるならその意見を参考にします。
また、年賀状を出さない期間としては1年間というのが一般的です。
となると、年末に無くなった場合はどうなるのという疑問を感じる人もいるかと思いますが
年賀状はあくまで元旦に出すのが建前
ということで、今年1月1日~12月31日に亡くなった場合には、1年以内に当たる来年の元旦に年賀状を出さない
=おめでとうと言わない
ということになります。
因みに去年の12月31日に亡くなっていた場合でも、来年の1月1日には喪は明ける事になります。
(年賀状は12月20日に出しても届くのは元旦)
注:あくまで気持ちの問題ですから、絶対このようにしなければならないということでは決してありません
また、12月も後半になると年賀状を出してしまう人も多いですから、喪中はがきは早めの方が良いですね
逆に、年賀はがきを出す前に喪中はがきを受け取った場合、喪中なのは相手であって、こちらには関係ありませんので、こちらから喪中の人に年賀はがきを出すのは構わないということになります。
あくまで喪中の人が「おめでとう」というのを差し控えているだけということです。
さはさりながら、喪に服している人に「おめでとう」と年賀状を送るのも気が引けるということで年賀状を送らなかったり、寒中はがきに代える人は多いようです。
ではお正月の神棚のしめ縄やお飾りはどうすれば良いのでしょう
神道では50日祭が終わるまでは忌中と考えます。
注:神道で言う50日祭は仏教で言うところの49日に当たります。
ですから、お正月が忌中に当たる場合(親族が亡くなってから50日間)は、しめ縄や正月飾りは飾らないのが普通です。
そして亡くなった方の命日から50日過ぎればしめ縄や正月飾りは飾っても問題はありません
(ただし、正月飾りはすでに時期が過ぎていることが多いと思います)
ということになりますが、50日が過ぎて、いざ、しめ縄や破魔矢を飾ろうとしても、これらは年末年始の時期にしか手に入らないですし、この時期は神社などへも行けないと思いますので、
親しい友人などに依頼して、準備だけしておくと、あとで何も飾るものがないということが無くなります
まとめ
神道では親族が亡くなってから50日間は忌中になるので、派手なことやお祝い事はしない方が良い
ですから忌中にあたる場合は、初詣にも行かないのが一般的
神社へは忌(50日間)が開けてから行く
大きな神社ではお守りや縁起物はいつでもいつでも受け取ってくれるので、忌が開けてから納めに行けば良い。
今年一年の間に親族がなくなった場合は来年の元旦に届く年賀はがきは遠慮して、年内に喪中はがきを出して、欠礼することをお詫びする。
と言うことになります。
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