2018年の媒体別広告費では
テレビ:19,123億円(前年比-1.8%)
ネット:17,589億円(前年比+16.8%)
(出典:電通サイトから)
昨年はかろうじてテレビがネット広告を上回っていますが、伸び率からすると、今年はTVとネット広告費は逆転するものと予想されます。
なんとなく、世の中はテレビじゃなくて、インターネットだよねというのは分かると思いますが、
企業はなぜテレビ広告からインターネット広告にシフトしているのでしょうか
理由は3つ
・人が接している時間はテレビよりネットの方が多くなってきている
・ネット広告はテレビ広告より圧倒的に効率が良い
・ネット広告は広告効果がハッキリ分かる
なぜ、そうなるのでしょうか、それぞれについて、もう少し詳しく解説していきます。
人が見ている時間はテレビよりネットの方が多くなってきている
スマホの普及でテレビよりネットを見る時間が増えている
これは多くの人が実感として感じているかもしれません
昔なら、通勤電車の中で皆さんが見ているのは、たいがいが新聞か雑誌、あるいは寝ているか
今なら、ほとんどの人がスマホをいじっていると思います。
見ているのはインターネットで、動画やSNS、あるいは調べ物をするのに何か検索しているかもしれません
通勤時間に限らず、会社の休憩時間や自宅に帰ってからでも、テレビを観る時間は減少、代わりにネット(特にスマホ)を見ている時間が増えていると思います
あるいはネットゲームにはまって、依存症状態になっている人が増えているって、社会問題にもなっています。
テレビ番組の質や魅力が落ちてきている
昔に比べると、テレビ番組の質や魅力が落ちてきている気がします。
理由としては
・テレビに使う広告宣伝費が減少して、制作費がじり貧
時代の流れなのでしょう、家族みんなで話題の番組にかぶりつくという時代では無くなったということもあり、無料の番組に、昔のように多額の制作費が使えなくなっています。
安価な制作費はどうしても番組の質の低下を招き、大して面白くない番組が増えることになります。
・有料テレビ放送が増え、良質なコンテンツは有料の放送に回るようになって来た
Netflix、WOWOW、スカパーなど有料テレビ放送(動画配信)が増えて、いつでも、自分の好みの良質の番組が広告無しで見る事が出来るようになって来ています。
当然有料チャンネルの方に、良質の番組が回され
一般の無料の番組となると、どうしてもバラエティー系などが多くなり、魅力のある番組が提供できにくくなっています。
・テレビの広告が増えて興味のない広告をしつこく見せられる。
テレビ業界全体が苦しくなっているのかもしれませんが、昔に比べて最近の民放は、広告がしつこく、長時間出てくるので、ますますテレビ視聴がつまらなくなってきています。
テレビは一方通行の垂れ流しで終了する
昔なら、家族みんなでテレビを観ながらあれこれ話をする事もあったのでしょうが
今や、ほとんどの人は1人でテレビを観ることが多くなっています。
所が、テレビは一方通行の垂れ流しで、見ている方はテレビにむかってブツブツつぶやいても、何の反応もありません
逆にSNSやユーチューブであれば、こちらからコメントしたりする事も出来ますし、つまらないコンテンツであれば、どんどん別のコンテンツに切り替えたり、興味のある分野に移動したりすることも可能です。
人々の余暇時間の奪い合いが始まっている
一人一人が、余暇に使える時間は一定で、増えることはありません
人が、余暇に何をするのか
スポーツ、テレビ鑑賞、インターネット、その他の趣味
様々な時間の過ごし方が有り、昔であれば、テレビがその中でも大きな比重を占めていたのが、生活様式の多様化や様々なメディアの出現でテレビの比重が低下し
さらに、テレビ視聴の魅力が低下してきていることで更にテレビ離れが加速しています。
しかも、テレビは万人向けのコンテンツであって、一人一人の個人を捉えておらず
逆にインターネットであればそれぞれのニーズに合ったコンテンツを楽しむことが出来る事や、インタラクティブ性(双方向性)があり、反応を得ることも可能であることから
個人個人が楽しむにはテレビより格段に魅力的な媒体でもあります。
ネット広告はテレビ広告より圧倒的に効率が良い
ネット広告はテレビ広告より圧倒的に効率が高くなります。
テレビ広告は興味の無い人にも均一に表示される
テレビを観ている人が、番組の合間に流される広告に興味を持っているとは限りません。
もちろん、女性の視聴者の多い番組に化粧品会社のスポンサーがより多くの広告を出すという事はあるかもしれませんが
例えばバラエティー番組であれば、視聴している人の属性はかなりばらけていることでしょう。
小学生もいれば、高齢の方も居るかもしれません
そういう視聴者に熟年女性向けの化粧品の広告が出ても、ほとんど見ていないか、場合によっては
CMのうちにトイレにでも行ってこようかなんてこともあるでしょう。
テレビは録画されてみられることも多くなった
昔のように、人気番組があると、家族そろってテレビの前に集まる・・
なんてことは今時無いですね。
忙しい人であれば、放送時間にテレビを観られないことも多々あり、テレビは録画してみることが多くなっています。
そうなると、しつこい広告、CMは飛ばして見ることが多くなります。
番組のコンテンツだけ視聴し、広告は見ないことがほとんどだと思います。
ネット広告は視聴者の好みに応じて配信、表示される
ネット広告は、ネットを見ている人の過去のネット上での履歴
以前、Aという商品情報を検索していたとか、ダイエットに関することを調べていたなどの過去の履歴に基づいて、広告を出すことが可能です。
過去のネットの閲覧履歴から、この人はゴルフに興味があると判断されればゴルフに関する広告が出てくるようになります。
ネットを見ていて、以前チェックした商品の広告がしつこく出てきて驚いた人もいるかもしれません
これは過去のその人の閲覧履歴から、興味のありそうな商品やサービスを広告として表示させる機能がネットにあるからです。
もっとも、この過去のネット閲覧履歴をネット関連の会社が収集することを制限する動きも始まっています。
とは言え、例えば、旅行に関するコンテンツを閲覧している人に旅行に関する広告を表示させることも可能ですから
不特定多数の人に同じ広告を垂れ流しているテレビ広告に比べれば格段に効率は良くなります。
ネット広告は成果報酬型のスタイルを取ることも可能
ネット広告の中には成果報酬型の広告も多数存在しています。
アフィリエイターと呼ばれる人達がやっている広告の多くは成果報酬型と言われるもので
アフィリエイターが自分のサイトなどで商品を紹介し、売れた場合にのみ報酬が支払われるというものです。
広告主の側からすればアフィリエイターが勝手に広告をしてくれて、売れなければ費用はかからない
売れたときにだけ、売れた額に応じて一定の報酬を支払えば良いという、広告主にとって都合の良い広告方法です。
テレビ広告の場合、不特定多数の人に垂れ流しているだけで、その成果が上がっているのかどうかは非常に測定しがたいのに比べて、ネットの成果型報酬は極めて効率的だと言えます。
テレビ広告だと、成果が出るかどうか分からない上に、多額の広告費用がかかるので利用できるのはどうしても大企業になりがちですが、
広告に多額の費用をかけられない中小企業でも、ネットの成果報酬型だと比較的容易に広告を出すことができますから、
いままでマスメディアに広告が出せなかった企業などもネット広告であれば算入が可能になります。
ネット広告は広告効果がハッキリ分かる
ネット広告はテレビ広告と異なり、広告の効果がハッキリ分かります。
テレビ広告の場合、その広告(CM)が実際に見られているかどうかも分からず
見ている人が、広告している商品の対象層であるかどうかも分かりません
(高齢の男性が若い女性用の化粧品の広告を見ているなど)
一方ネット広告の場合
成果報酬型はもちろん
成果報酬型で無かったとしても
何回表示されて、何回クリックされたとか
動画広告であれば、最後まで視聴されたかどうか
さらに、広告を見た人の属性
住んでいる地域、年代、男女別などもおおむね分かります。
となれば、各企業が成果があるかどうか分からないテレビCMより
より効果の明確なインターネット広告にシフトしてくるのは自然な流れと言えます。
まとめ
2019年にはネット広告がテレビ広告を抜き去ると予想されます。
テレビは、コンテンツの質が低下しているばかりで無く、現代人のニーズをつかむ媒体では無くなりつつあります。
逆に、インターネット広告は成果が明確であり、インターネット自体が現代の人々のライフスタイルに合致しており
ネットに接する時間も増加していることから、今後はマスメディア(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)による広告から、更にネット広告にシフトしてくることが予想されます。
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