何か分からないことがあると検索を使って調べることが当たり前になってきました。
昔なら、図書館に行ったり本屋さんで関係する本を購入したり、よく知っている人に話を聞いたりしなければならなかったのが
ちょっとした事なら、パソコンやスマホでググればあっという間に答えを知る事ができる。
ホントに便利な世の中になってきたと喜んでいたのもつかぬ間
最近は検索しても本当に知りたいことが検索でなかなか出てこなくなってきました。
どうしてなのでしょう。
検索してもいい加減なことが書いてあるアフィリエイトサイトばかりだったり
他のサイトの情報をパクったりコピペしただけのまとめサイト
通販サイトや大手企業のサイト
あるいは読んでも意味の分からない専門的なサイトばかり表示されて
自分が、知りたいことが書いてあるサイトになかなかたどり着くことが出来なくなってきています。
検索エンジン(検索サイトのプログラム)は進化しているのに、ますますつまらないサイトばかり表示されるようになってきている
このままでは誰も検索エンジン(グーグルやヤフー)を使わなくなってしまって、検索エンジンは終わりを迎えるのではないかと思う事もあります。
どうしてこのような事になっているのか、現状と、未来について考えてみたいと思います。
今時の若い人はググらない?
ある人が言っていたことですが、最近の若い人は検索サイトを使わない(ググらない)人が増えているということです。
検索して長文を読んで内容を理解するより、SNSや友人に結論を聞いた方が早いということです。
検索して出てきたサイトが、ジャストフィットの内容であったとしても、数百文字から数千文字の記事を読んで理解する必要があります。
場合によっては、なかなか知りたいことが書いてあるサイトにたどり着けず、いくつものサイトの記事を読む必要があったり、結局知りたい答えが見つからなかったりすることもあります。
特にツイッター世代というのでしょうか100文字程度以上は、もうすでに長文の世界という人も多いです。
それだったら検索など面倒くさい事をせずにSNSや知人に聞いた方が早いということになります。
しかも検索との相性からいえば、検索結果に上位表示するのはとにかく長文の方が有利です。
以前は検索に上位表示するのに500文字以上とか1000文字以上とかいわれていた時代もありましたが
今や2000文字以上は当たり前
中には1万文字を超える記事も珍しくなくなってきています。
この記事も結構長文になると思いますが
仮に文章が面白かったとしても、最近の人は長文を読まない傾向にあるのは確かです。
アフィリエイターはネットの世界をゴミだらけにしたのか
SNSなどを見ていると、
「ネットにはアフィリエイターのゴミ記事だらけだ」
「アフィリエイターはネットをゴミだらけにする邪魔な存在だ」
という主張が結構目につくようになってきました。
外注記事の増加がゴミの増加に?
この原因の一つに、アフィリエイターが記事の作成に外注を使う人が多くなってきたことも影響しています。
@SOHOや、サグワークスなどのネット副業サイトなどで募集して500文字300円などで記事を外注して、アフィリエイトサイトを作成することが、
アフィリエイターが効率よく稼ぐ為の手段として広まったことが影響しています。
記事を請け負ったライターとしては、記事の中身は二の次三の次で、いかに効率よく短時間で記事を書くかが収入に直結します。
ですから、注文主からもらったお題
○○のやり方、××についてなど
とにかく、お題に関するキーワードで検索して上位表示している記事を拾い読み&いいとこ取りのコピペで取り込んだ文章を適当にリライトして納品
注文主としては、その記事の内容をほとんどチェックすることもなくサイトに掲載
(いちいちチェックしてたら外注してスピードアップしている意味がありません)
それでも、人海戦術(記事の外注)で大量に記事を投稿することで上位表示できてしまいます。
その結果間違った内容でも、同じ様なサイトがズラリと上位表示
さらに後から記事を請け負った外注さんも似たような内容のサイト記事をコピペ&リライトで文章が違うだけで、ほとんど同じ内容の記事を納品
気が付いたら中身の無い、あるいは間違った情報が上位表示されると、次からはその間違った情報のオンパレード
ということで検索してもアフィリエイターのサイトのゴミ記事しか出てこないという事になります。
アフィリエイターがネットをゴミだらけにするだけのお邪魔虫なのか
SNSなどを見ているとアフィリエイターはネット界のお邪魔虫だから消えてしまえというような論調も目立ちます。
ですが、ネットの世界から全てのアフィリエイターを排除してしまえばどうなるか
ネット上に残るのは
企業やマスコミ、組織のサイト、通販サイト、まとめ記事的なサイト
せいぜい個人の毒にも薬にもならない日記記事ばかりになってしまいます。
異なる会社の同種の商品を横に並べて比較記事を書くなんて面倒くさいことをやるのは、アフィリエイターぐらいしかいません
もちろんアフィリエイターの中には報酬の高い順に推奨商品を並べるような倫理観の乏しい輩がいるのも確かですが
一生懸命に商品の利点欠点をまとめたり、比較したりしているアフィリエイターも大勢います。
インターネットの大きな働きとして個人でも全世界に向かって情報発信できるという点が挙げられます。
個人でもネット上のコンテンツを作って商品を紹介して報酬を得る
TVや新聞雑誌がやっているのと同じ事が個人でも出来てしまう
そういうネットの利点が、アフィリエイターを排除することで、結果的にマスメディアの発信する情報を受け取るしかないという世界に戻ってしまう事になります。
アフィリエイターはゴミもまき散らしているが貴重な価値も創造している
アフィリエイターがネット上にゴミをまき散らしていることは間違いありませんが
一方、ネット上の価値を創造しているのもアフィリエイターです。
あなたが何かについて調べたい
そういう時に分かりやすくまとめているのはたいがいがアフィリエイターの作ったサイトです。
誰も、ボランティアで面倒くさいことをやりはしません
あるいは企業や組織も、役に立つサイトを作っているかもしれませんが
その記事に企業や組織の利害や意図が入っていいないという保証はありません
その商品の販売会社でなかったとしても、もしかしたら特定の商品が売れること(売れないこと)がその企業や組織に何らかの利益をもたらすかもしれません
あるいは、特定のマスコミは特定の主義主張にそったバイアスのかかった記事や情報を発信していることをネット民なら常識として知っていると思います。
少し前になりますが、DeNAの傘下にある健康・医療系まとめサイト「WELQ」が
不特定多数のライターによって書かれた記事内容の信憑性に問題があったこと、ほかのサイトをコピーして加筆するなど、著作権上も問題があったことなどから、
サイトが休止に追い込まれることになった事件も記憶にあるかもしれません。
検索エンジンがまともな検索結果を返していないという不具合
検索で出てくる記事がゴミだらけという問題
検索で上位表示される結果がゴミだらけという問題は
アフィリエイターが悪いというよりは、そもそもゴミ記事でも上位表示されるということが根本原因です。
アフィリエイトサイトだけでなく
・他のサイトの記事の中身やリンクを集めただけのまとめサイト
・他のサイトからパクってきた記事を読み上げソフトで読み上げるだけの動画サイト
検索すると必ずこの手のサイトが上位表示されます。
あるいは今回のアルゴリズムの変動で(2018.8)
上位表示されるサイトが
「信頼できる、運営年数の長い、大規模サイト」を優先されることから
・通販サイト
・大企業のサイト
・すでに役に立たなくなった古い内容の記事
・素人には分かりづらい専門家のサイト
などが上位表示されるようになり
何かを調べようと思っても、役に立たないサイトが検索の2ページ目や3ページ目までズラリと並ぶ結果になっています。
このような状況ですから、ものによってはなかなか欲しい情報が得られない
仕方が無いので、検索のキーワードを変えて検索しても、ほとんど同じサイトが並ぶだけ
やむなく1つづつ調べていってもまともな答えは何一つもありません
酷いのになると、検索に使ったキーワードが一つも出てこないサイトが上位表示されていたりします。
グーグルがダメならBingが使えるか
現在の検索エンジン(検索に使われるソフトウエア)の世界はグーグルの一人勝ちです
ヤフーも基本的に検索エンジンはグーグルの検索エンジンを使い、一部、ヤフーに都合の良いように入れ替えているだけです。
ということで今は亡き
ではなく、昔懐かしいBing(マイクロソフトが提供する検索エンジン)が登場します。
グーグル検索が広く一般に広まってBingはほとんど消滅したと思われていたのが
最近のグーグルの検索結果があまりにも酷いので、専門家の間ではBingを使う事も増えてきています。
とはいうものの、グーグルの検索結果と多少違うサイトを発掘することが出来る程度で、グーグルをやめてBingに切り替えようというほどの違いは無いというか
Bingの検索結果も、しっかりと応えてくれないという点でグーグルと取って代わるほどの力は無いように思えます。
ネットビジネスは検索エンジンに頼らなくなるのか
今時の人はネットの記事を読まない
この記事の最初の方で述べたとおり、今時の人は長文を読まなくなっています。
それなのに検索エンジンは長文を好む?
それは別にしても
あるテレビ番組で
AI(人工知能)は文章の中身自体は理解しておらず、出てくる単語を分析して、最も当てはまりそうな結論を推定しているだけ
そして、最近の学生の思考テストの結果から、文章を理解しているのではなく、文字面をみて、当てはまりそうな結論を当てはめているだけの学生がものすごく増えていて
思考回路がAIと似てきているという話題が出ていました。
私自身の経験でも
仕事で、新しい内容の業務などで、関係者に説明するために4、5枚のブリーフィングシートを作ることがあるのですが
内容的には何ら難しい事は無く、ブリーフィングシートを読めば簡単に理解出来る内容ののもので
分からない点だけ質疑応答すれば10分もあればOKのはず
ところが、たった4、5枚のブリーフィングシートでも、読んで中身を理解出来ている人は少なく
会議で、最初からブリーフィングシートを読み合わせする必要がありました。
単に読み上げただけなのですが(内容的には何ら難しいものでないので当然です)
それだけで皆さん仕事の内容を理解出来る。
紙に書いた文章では理解出来なかった人達が、声に出して耳で聞くことで理解できることに違和感を感じていたのですが
文字を理解しながら読むことの出来る人は意外に少ないということを聞いてなるほどと思ったものです。
Amazonなどの大手ネットショップにとって検索は不要になりつつある
商品名などで検索をかけるとたいがいAmazonなどのショップ記事が上位を独占します。
それでなくても、日頃Amazonで商品を購入する人であれば、ネット検索せず、直接Amazonのサイトで商品を検索することも多いと思います。
検索してもネットショップしか出てこなかったり、古びた記事しか出てこないなら、最初からお気に入りのショップで検索した方がよほど効率が良くなります。
Amazonとしては楽天や価格コムなどの顧客も引き込みたいでしょうから、まだまだ検索エンジンを活用していくでしょうが
検索エンジンに頼る比率は年々低下していくと思います。
あるいは中小のネットショップはAmazonや楽天などの大手ネットショップの傘下に入るか、検索以外の方法で集客せざるを得なくなると思います。
(検索結果にAmazonや楽天しか出ないのですから当然です)
ネットビジネスにとって検索エンジンの重要性は低下する
現状において、検索エンジンから評価されないサイトやショップはネット上に存在しないも同然です
グーグル様がどのような理不尽な振る舞い(それまで検索1位表示していたサイトを何の理由もなく圏外に飛ばすとか)をしてもそれに従っているしかありませんでした。
しかし今後、Amazonや楽天が自前で集客するようになれば、グーグルの検索ではなく、いかにAmazonや楽天のサイト内で有利な位置に表示してもらうかの方が重要になってきます。
あるいは、Amazonや楽天などの傘下に入らないショップはフェイスブックやツイッターなどのSNSを利用した
個人の口コミや、あるいはカリスマ的なブランディングが出来ている人のフォロワーなどから集客する方法なども出てくるでしょう。
そうなればネットビジネスにおける検索エンジンの地位は今とは比較にならないほど低下していくかもしれません。
ネット利用者はお気に入りのサイトしか見なくなる
今後ネット検索が全く無意味になるとは思いませんが、ネットビジネスにおける検索エンジンの価値は低下していく事でしょう。
必要なサイトはブックマークされ、便利なサイト、面白いサイトやそれぞれのジャンルのポータルサイトが利用されるようになり、商品購入であればいくつかの大手ネットショップのサイトを直接参照するようになるのでしょう。
継続して必要な情報は、検索してサイトを探すのではなく、特定のお気に入りのサイトをウォッチしておいたり
SNSから得たサイト情報から、そのサイトを見に行くという方法が主流になり
そして検索エンジンはビジネスとは離れた、趣味や情報収集の場として生き残っていくのかもしれません
まとめ
現状の検索エンジンは文章を理解することは出来ませんし、サイトの価値を直接判断することも出来ません。
その結果、検索エンジンで上位表示するための対策をしているだけのゴミサイトで溢れかえることになっています。
これに対して検索エンジンの会社は必死で、価値あるサイトが上位表示されるように努力しているのかもしれませんが
結局、現在のコンピューターにサイトの価値を判断するだけの能力が決定的に不足していることから、
現状、ものすごくいびつな形で検索結果に反映されることになっています。
今後、検索エンジンが巻き返して、もっとまともな検索結果が出るように進化して、私の今回の記事が
全く的外れな指摘に終わるかもしれません(私もそれを願っています)
とはいっても、圧倒的な力を誇った、グーグルの検索にもほころびが芽生えてきたように思えます。
ネットにおけるビジネスも今のように検索エンジンに頼り切っている状態から離れて、もっと別の手段が主流になってくるかもしれません
今後ネットの世界がどのような進化を遂げるのか興味深いところです。
2019.5追記
現状ではGoogleはサイトの価値を決めるのに、信頼性、権威、専門性を重視するようになり、この記事で述べた傾向が更に酷くなってきています。
もはや個人のサイトが検索で上位表示することはかなり難しくなっており
外形的な基準・・サイト作成者が大企業、公的サイト、病院等のサイトを優先して上位表示されています。
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