自宅で親御さんを介護されている方も多いと思います。
その介護の中でおしっこや排便に関する問題は切実だと思います。
おしっこや便に関しては不衛生だということもさることながら、どうしても、後始末や臭いの問題があります。
その中でも、おしっこについてはおむつやリハビリパンツでかなりの対策が可能だと思いますが
ウンチを漏らす、便失禁については、臭いだけではなく、目に見える問題ですから、お困りのことも多いかと思います。
この、介護高齢者のウンチを漏らす便失禁についてその原因や対策について考えてみたいと思います。
ウンチを漏らす便失禁の原因
まずは、介護している高齢者が便失禁をする原因について考えてみます。
便秘薬の服用による突然の強い便意
介護中の高齢者の場合、どうしても食事の内容が
食べやすくて、栄養素が高いもの
に偏りがちです。
しかも、運動不足や、寝ていることが多く、便がなかなか下の方に降りていかないことなどから便秘になることが多くなります。
そうなるとどうしても介護されている高齢者は便秘になりがちで、便秘薬を処方されている方も多いでしょう
そして、肛門に近いあたりにある便は便秘のために固くカラカラになって、便の出をふさぐ形になってしまっています。
一方で、お腹の中の便は便秘薬の影響で柔らかくなっており、さらに便秘薬の刺激でどんどん肛門の方に押し出されている状態です。
それが何らかの、ショックやお腹に力が入ったりなどで、肛門の所にあった栓(固いウンチ)を乗り越えて、外にあふれ出てしまうと
後はもう、寄せ来る怒濤の波に押し出されて、ドドンと溢れてしまうことになります。
肛門の筋力の衰えなど機能的な問題による便失禁
便秘薬の影響以外にも、肛門の筋力の低下により、便が不意にでてしまうという場合もあります。
肛門の内側の筋肉がゆるくなって、便が流れ出てしまう「漏出性便失禁」
肛門の外側(出口)の筋肉がゆるくなって、肛門をしっかり閉ざすことが出来ずに
便器に座る前に排出してしまう「切迫性便失禁」があります。
そのほかにも、直腸の神経の働きが悪くなって、便意を感じにくくなる「溢流性便失禁」などがあります。
病的な原因
介護高齢者に限らず、比較的若い人にも、病的な原因で便失禁が起こることもあります。
大腸の手術の後遺症
大規模な大腸手術で、肛門付近まで切除した場合に、肛門の働きに支障が出て便失禁を起こすことがあります。
痔の手術の後遺症
痔の手術の際に肛門の筋肉が損傷し便失禁がおきることがあります。
脊髄損傷
事故などによる脊髄損傷により脊髄につながる神経が麻痺して、便失禁を起こすことがあります。
腸の病気
過敏性腸症候群や炎症性腸疾患などの慢性的に下痢を繰り返す腸の病気が原因で便失禁の症状が現れることがあります。
糖尿病、脳梗塞、認知症
これらの病気が原因となって、便意を感じにくくなったり、便意を認識できなくなったりすることがあります。
便失禁の改善策
病的なものは家庭などでの対策は難しいですが
介護高齢者によくみられる便秘が原因の便失禁については、ある程度対策をすることで、便失禁を改善することができます。
便秘薬や処方薬の見直し
かかりつけのお医者さんに便失禁の状況を説明して、便秘薬で対策する方法があります。
軟便が多く、しみ出してくるようであれば、水分を吸収して便が固まりやすくなる性質の薬を出してもらうなどの対策が可能な場合があります。
そのほかに、介護中の高齢者は様々な身体的、精神的なトラブルを抱えている場合が多く
抗生物質や抗うつ剤などを服用されている方も多いと思いますが、これらの薬が便秘の原因になる場合もありますから、かかりつけ医などに相談してみましょう。
注意するのは、便秘だからといって安易に便秘薬の服用を続けると、下痢便になって返って便失禁の原因になったり、あるいは長期の便秘薬の服用は、便秘を悪化させる場合も多いです。
便秘の解消
(^^;)便秘が解消できれば簡単なのでしょうが
それが簡単にできないから苦労しとるのだろうが(`ε´)
自分の便秘だって充分コントロール出来ていないのに(`ヘ´) プンプン。
とか言われそうですね。
そうはいっても、それなりの対策はしてみる価値はあると思います。
身体を動かす方法は長続きしない
高齢になるほど、身体を動かす機会が少なくなりそれが原因で、便秘になりやすくなっているので、なるべく運動を・・・
といっても、高齢者に運動をしてもらうといっても介護状態では困難ですし
一時的に家族などが促して運動をさせてみても長続きすることはありません
若い頃結構運動をしていた人でも、介護状態になると、自分から運動をしようとする人はかなり稀だと思います。
ですから、なるべく寝たきりにしないで体を起こして座った状態を維持してもらうとか、気が付いたときに、お腹をよじるような運動をしてもらうという配慮も必要ですが
あまり期待しない方がよいでしょう。
定期的にトイレを促す
高齢になり介護状態になると、身体機能や神経が鈍くなってくることもあり、便意を感じにくくなっています。
また、介護している人に迷惑をかけたくないと、多少の便意は我慢してしまうこともあります。
ですから、毎日決まった時間に便意がなくても定期的にトイレを促すことで、排便の習慣を付けてもらうと同時に、
こちらの方から「そろそろトイレに行こうか」と促すことで、便を体にため込んでしまってそそうの原因になることを防ぎます。
水分摂取は多めに
高齢になるほど、トイレに行くのが億劫になり。自然と水分の摂取を控えようとする傾向があります。
水分不足は、腸内にある便を硬くして、益々便通を悪くします。
尿についてはリハビリパンツや尿パッド、おむつなどでの対応が比較的容易ですし
尿漏れなどの症状はやむを得ないものですから、便秘になるよりは、リハビリパンツの交換頻度を多くした方が、体便失禁を押さえる上でよりましでしょう
また、そもそも高齢になるほど、体内の水分量が減少して、様々な身体トラブルの元になりますから、健康を維持する面でも水分は、積極的に取らせるようにします。
便通を改善する食事
ヨーグルト
ヨーグルトは腸内環境を整え、腸内細菌を増やすことで便通を改善します。
ヤクルトなどの乳酸菌飲料も、高齢者には摂取しやすいですから、1日1回は欠かさず飲ませるようにします。
バーリーマックスなどの難消化性デキストリン
最近は、大腸の腸内細菌を増殖させ、便通を良くするためにバーリーマックス(スーパー大麦)などの難消化性デキストリンを含む食べ物が注目されています。
要は小腸などでは消化されずに大腸で消化される繊維質の食品をとることで、大腸の働きを活発にし、便の原料を増やすことで、便秘を改善するものです。
バーリーマックス(スーパー大麦)が便通とダイエットに効果がある理由
高齢者が食べる食品として利用する場合に注意するのは、比較的消化が悪く、また、便の量が増えることで、返って一時的に便秘を悪化させてしまうことがあります。
ですから、慣れないうちは、ごく少量を、おかずやご飯の中に混ぜ込むようにして様子を見るようにした方がよいでしょう。
あるいは、介護されている高齢者の方が玄米を食べるのに抵抗のない方であれば、ご飯のうち1食だけでも玄米食にするという方法もあります。
玄米を食べると便秘に劇的に効果がある理由と、メリットデメリット
便臭対策のためのサプリメント
便臭対策のためのサプリメントを使うということも、便失禁対策に効果が期待できます。
そこでFeクロロフィリン(葉緑素に、食品として安定させるための鉄分が結合されている成分)を含むサプリメントを使うという方法もあります。
Feクロロフィリンが配合されているサプリを人工肛門を付けている人が、便漏れ対策として利用しているということは、あまり知られていませんが
介護の現場や、便漏れ対策としても結構活用されています。
Feクロロフィリンを含むサプリメントは、一般的には体臭や口臭が気になる人の為のサプリとして販売されていますが、そもそも腸内環境を改善する効果も期待でき
便秘が原因の便臭(体臭)が気になる人にもよく使われています。
ハーバルスタンダードの主成分、Feクロロフィリンは便臭に効果有り?
まとめ
高齢者を介護している中で便臭や尿臭は、かなり気になる問題です。
尿については、消臭対策やリハビリパンツなどでかなり対策が可能ですが、
便失禁については、臭いだけでなく、汚れがハッキリ分かるという点でも、介護する人される人、両方に精神的なダメージがあります。
とはいっても、対策をすることで、目に見えて改善する可能性もありますから、くよくよするのではなく、出来る事をやってみるということも大切なのではないでしょうか
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