近所に毎日、我が家の前を通って、すぐ近くにある小さな町のスーパーに買い物に出掛ける90歳くらいのお婆さんが居ます。
歩幅は10cmほど、一定の距離を歩くのに、普通の人の5倍くらいかかりますから、時速にすると約0.8kmくらい
お婆さんの自宅からスーパーまでわずか200mほどですが、片道15分ほどかかる事になります。
そのお婆さんにとっては、長距離を歩いての買い物になるはずですが、毎日、黙々と日常生活の一部として、全く苦にもならない様子
そのお婆さんを見かける度に
「ああ、このお婆さん、何気に、でも一生懸命生きているんだな」
って感動してしまいます。
興味が無ければ別に何ということの無い街の風景なんですが
どうしても色々なことを想像して、感動してしまう
そんなお婆さんについて色々考えてみました。
お婆さんは毎日、遠い道のりを歩いてスーパーに買い物に
お婆さんは、体形や動作などからどう見ても、見た目90歳代で、
若かったとしても80歳代後半のように見えます。
小さな可愛いリュックを背負って・・
手に荷物を持ったら、多分歩くのは危険だと思います。
リュックに買い物した食材?を詰め込み
杖を片手に、一歩一歩踏みしめるように、えっちらおっちら、我が家の前を通り過ぎます。
ゆっくり歩きながら、時には道ばたのコンクリートの隙間からはえている花を発見して
おやおやという風情で立ち止まって眺めていたり
歩き疲れて、曲がった腰を伸ばしながら休憩したり
お婆さんにとっては結構な道のりのように見えます。
スーパーは国道の向こう側にあるので、道を渡るときには、車が来ないのをしっかり確認してから渡り始めるのですが
歩くスピードがゆっくりなものだから、時には、道路を渡り終わるまでに車が来てしまうこともあります。
そんな時、お婆さんは、車を気にせずマイペースで・・
でもいつも見ている私には、お婆さん、結構焦って、ジタバタ急いでいるって分かるんですが
知らない人がみたら、悠然と歩いているように見えるかもしれません
車の方も、さすがに「しょうがないな」って感じで停車してお婆さんが道路を渡るのを待っています。
お婆さんは毎日買い物に行かなくてもいいんじゃない
最初の頃、そのお婆さんが毎日買い物に行くのを見かけて
「ああ、今日も買い物、一人暮らしなのだろうか」
などと思っていたところ、たまたまそのお婆さんは近所にお住まいで、自宅から出入りするのを見て、お住まいが判明したのですが
そのご自宅には他にもご家族が住んでいる様子
お婆さんが、どうしても買い物に行かなくても良さそうなご家庭です。
ということから想像するに
お婆さんが毎日買い物に行くのは
・長年の習慣で、自分が買い物に行くのが日常になっている。
・買い物が楽しみになっている。
・家族の一員として、自分が食事の支度(食材の買い出し含む)するのは当然だという義務感をもっている。
などの、どれかか、もしかしたら全部が重なっているのかもしれません
でも、少なくとも相当の高齢になっていても家族の一員として家事の責任の分担を担っている。
健康で、介護状態になっていないから、何歳になっても今まで続けてきたことが出来るのって素敵な出来事だと思うのです。
自分も高齢になってもお婆さんのように淡々と毎日を過ごせたら良いなと思う
お婆さんはおそらく、私が今の家に引っ越してくる何十年も前から、この地に住んでいて
毎日、買い物に出掛ける生活を続けていたのでしょう。
そして90歳になんなんとする歳になっても同じように、毎日の自分の仕事をこなしているって素敵だなって思います。
ひるがえって、果たして自分が高齢になったときに、今までどおりの生活が出来るか
若い頃の不摂生や、現在の生活態度を省みると、果たして自分が高齢になっても健康で、同じような生活が続けられるものか、ちょっと自信はありませんが
自分が動ける限りは淡々と、自分のやるべき事をしっかり責任を持ってこなしながら生きていく
そういう晩年を迎えたいものだと、お婆さんを見て感じるところです。
「それがどうした」と言われればそれまでのお話なんですが
お婆さんに生きるってなんだろって
答えが出るわけじゃないけど、大きなヒントをもらったような気がします。
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